新卒看護師のリアリティショックの構造と教育プログラムのあり方
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概要
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【はじめに】新卒看護師は,臨床場面においてさまざまなリアリティショックを経験しており,早期に臨床現場への適応がなされるためには,基礎教育と継続教育が連動して教育プログラムを構築することが必要である。本研究では,卒業後の臨床現場への適応につながる,基礎教育における臨地実習のあり方を検討するため,新卒看護師のリアリティショックの構造を明らかにすることとした。【方法】2005年度のA看護大学卒業生を対象に,半構成的面接を行った。(調査期間:2005年10月〜2006年1月)。面接内容は対象者の承諾を得て録音し,逐語録を作成した。面接では,文献検討の結果から導いた,7項目(「基本的看護業務遂行能力の獲得」「職場の人間関係の調整」「さまざまなケアへの対応能力の発達」「勤務形態への適応」「仕事と自己の価値観の調和」「対患者コミュニケーション」「その他」)について,回答を得た。逐語録は,質問項目に沿って内容分析を行い,複数の分析により妥当性を確保した。【結果】22名(30.6%)にインタビューを行った。新卒看護師は,「想定外・急変時・未経験・標準的でないケアへの対応」「受け持ち患者数の多さ」「患者・家族とのコミュニケーションの困難」「職場と自分の看護観の相違」「他職種との協働におけるとまどい」「先輩看護師との人間関係」等でリアリティショックの経験をしている構造が明らかになった。看護基礎教育課程での「複数・多重課題に対処する演習」「与薬技術の実践経験」「基本的マナーの習得」等の必要性が明らかになった。【考察】新卒看護師は,過去に経験したことがないために生ずる多くのリアリティショックを体験していた。これらは,新卒看護師自身が経験の中で対応していく問題,基礎教育で準備・対応すべき内容,臨地実習で準備可能な内容を含み,これらを踏まえた教育プログラム作成の必要性が示唆された。
著者
-
井部 俊子
聖路加看護大学
-
平林 優子
聖路加看護大学
-
桃井 雅子
聖路加看護大学
-
桃井 雅子
聖路加看護大学大学院博士課程
-
井部 俊子
聖路加看護大学 大学院
-
佐居 由美
聖路加看護大学基礎看護学
-
高屋 尚子
聖路加国際病院 教育・研究センター
-
松谷 美和子
聖路加看護大学
-
飯田 正子
聖路加国際病院
-
佐藤 エキ子
聖路加国際病院
-
寺田 麻子
聖路加看護大学 基礎看護学
-
松崎 直子
聖路加看護大学
-
村上 好恵
聖路加看護大学
-
寺田 麻子
聖路加国際病院
-
西野 理英
聖路加国際病院
-
高屋 尚子
聖路加国際病院
-
高屋 尚子
聖路加国際病院 看護部
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