トキソプラズマ感染ラット赤血球機能に関する2,3の知見

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6週齢,♀,ウイスター今道ラットにトキソプラズマRH株10^5個を腹腔内に接種して,1,3,8週後の3回,尾端から採血し経時的に赤血球機能について検索した。採血量と所要血液量との関係から3匹を1群とし,感染5群,対照2群に分けて,各群毎にプールした血液を用いた。感染ラットは1週目×1024,3週目1024〜4096,8週目4096倍以上のDye titerを示し,感染の成立が確認された。感染後1週目では軽度ながら赤血球内GPT,ALP活性値およびGSH,Met-Hb量の増加,G6PD活性値の低下,血液HbおよびHtの減少を認めた。8週目におけるそれらの変動は一般に軽度で対照範囲に近づく傾向を示した。しかし,8週目でのG6PD活性値では,比重差による赤血球の下層部分が,より明らかな低値を呈した。37℃,2時間Incubation前後の乳酸量の差で示した赤血球乳酸産生能については,明らかに3週目および8週目では低下した。さらに,8週目ラットに^<51>Cr標識赤血球を静脉注射した。注射後10分の赤血球放射線量を100とした10日後の赤血球残存率は対照平均50.4%に対して平均41.4%を示し,血漿中にも遊出^<51>Crを認めており,赤血球早期崩壊の傾向が確認された。以上の諸成績から,トキソプラズマ感染8週目におけるラット赤血球では,赤血球解糖機能の低下があり,溶血しやすい状態にあることを知った。
帯広畜産大学の論文
1974-03-20

トキソプラズマ感染ラット赤血球機能に関する2,3の知見

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