トキソプラズマ感染ラットの血液生化学的所見

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急性および慢性トキソプラズマ症の病態生理を実験的に明確にするための第1段階として,強毒株トキソプラズマ(Deelen)をウイスターSPFラットに10^7個,腹腔内接種して感染動物の血液諸成分を経日的に観察した。検査項目は,1)一般血液検査(赤血球・白血球数,血色素量,血球容積,網赤血球数,ハインツ小体,赤血球抵抗,白血球百分率)と血球超生体,酵素,鉄などの染色,2)血清諸酵素(alk.phosphatase,GOT,GPT,LAP,LDH,SDH,GLDH,Cholinesterase),3)血清諸成分(蛋白,コレステロール,ビリルビン,鉄,銅)および,4)病理組織に分けて検索した。感染後56日まで観察したラットの赤・白血球数では,その変動は著しくないが,MCHおよびMCVの減少,そして白血球数の増加傾向が認められた。感染初期単球が著増し,それらの多くは空胞を有し退行性変化を示すものが存在した。そしてまた,時として異常染色性赤血球の出現を認めた。血清諸酵素,総蛋白および蛋白分屑などでは,感染初期に軽度の変動を認めるが,感染後期では殆んど有意の変動を示さなかった。諸臓器病変像においても,ほぼ同様な傾向を観察した。しかし,脾内には色素貪喰細胞が42日目にきわめて軽度に認められ,56日目では,その出現の傾向を強めた。SFT抗体は感染後7日目から16,000倍を示した。
帯広畜産大学の論文
1971-09-16

トキソプラズマ感染ラットの血液生化学的所見

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