組み替えBabesia rodhaini抗原のフロイントアジュバントによる感染防御免疫の誘導
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概要
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バベシア原虫Babesia rodhainiのメロゾイト表面抗原(p26)はマウスに感染抵抗性を誘導することが知られている.我々はすでに発表されているメロゾイト表面抗原(p26)のDNA配列を基に, 大腸菌および昆虫細胞を用いた2種類のリコンビナント抗原を作製し, その感染抵抗性を検討した.p26抗原遺伝子をPCR法により増幅し, ベクターpGEMEX-2のBamH1部位に挿入し, プラスミドpGEMEX/Br26を構築した.大腸菌JM10 9(DE3)の形質転換体を培養し, IPTGにより発現誘導を行った.また, PCR法で増幅したDNAをベクターpBacPAK8のBamH1部位に挿入し, Sf9細胞に同時形質導入を行い, リコンビナトウイルスAcBr26を構築した.ついで, Sf9細胞に感染させ昆虫細胞で発現したリコンビナント抗原を得た.得られた2種類のリコンビナント抗原はB.rodhaini免疫血清と反応する事が確認された.これらの抗原をサポニンあるいはフロイントのアジュバンドで免疫後, 原虫感染を行った.その結果, 免疫により高い抗体産生が両グループにみとめられたが, サポニンと共に免疫したマウスでは, 攻撃感染により全例死亡した.一方, フロイントのアジュバンドで免疫した群では, 40〜100%の生存率が認められた.しかし, これらの抗原でIFN-γ欠損マウスを免疫したところ防御効果は認められなかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2000-07-25
著者
-
見上 彪
帯広畜産大学畜産学部
-
長澤 秀行
帯広畜産大学原虫病研究センター
-
五十嵐 郁男
帯広畜産大学原虫病研究センター
-
藤崎 幸蔵
帯広畜産大学原虫病分子免疫研究センター
-
鈴木 直義
帯広畜産大学原虫病分子免疫研究センター
-
小俣 吉孝
帯広畜産大学家畜生理学教室
-
斎藤 篤志
帯広畜産大学家畜生理学教室
-
藤崎 幸蔵
鹿大・獣医・新興感染症
-
岩倉 洋一郎
東京大学医科学研究所 実験動物研究施設
-
岩倉 洋一郎
東京大学医科学研究所
-
岩倉 洋一郎
東京大学医科学研究所ヒト疾患モデル研究センター
-
鈴木 直義
帯広畜産大学原虫病研究センター:北里大学獣医寄生虫学教室
-
五十嵐 郁男
帯広畜産大学原虫病分子免疫研究センター
-
玄 学南
京都大学 大学院農学研究科
-
宮澤 孝幸
東京大学 農生命科研究 獣医
-
宮澤 孝幸
東京大学農学生命科学研究科獣医学専攻獣医微生物学教室
-
玄学 南
帯広畜産大学獣医学科原虫病研究センター
-
齋藤 篤志
帯広畜産大学 獣医生理学
-
松井 高峰
帯広畜産大学獣医学科
-
Matsui Takane
三菱化学安全科学研究所
-
鈴木 直義
帯広畜産大学
-
藤崎 幸蔵
帯広畜産大学原虫病センター
-
Miyazawa T
Univ. Tokyo Tokyo Jpn
-
Xuan X.
帯広畜産大学原虫病分子免疫研究センター
-
Omata Y
Obihiro Univ. Agriculture And Veterinary Medicine Hokkaido Jpn
-
小俣 吉孝
帯広畜産大学基礎獣医学講座
-
浅葉 麗
帯広畜産大学原虫病分子免疫研究センター
-
見上 彪
帯広畜産大学基礎獣医学研究部門
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