健康およびバベシア原虫感染ビーグル末梢血液中単球の貪食性について
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概要
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細胞性免疫現象は特異的に感作されたリンパ球と, これによって活性化されたマクロフアージあるいは感作リンパ球産生物質(リンホカイン)などが相互に関与しているものと考えられている. これらは, in vitroで解析する研究方法が確立されだして, その機序が徐々に明らかになりつつある. しかしながら, 犬においての報告は殆んど見当らない. そこで, in vitro培養によるビーグルの末梢血液中単球を用いて, バベシア原虫感作リンパ球産生物質, リンホカインが単球におよぼす影響を貪食能の面から検討を加えた. 犬末梢血液中単球の単層培養作成には, 40%仔牛血清添加培養液を用いて, 5日間前培養をおこない, 試験に供した. バベシア原虫感染慢性犬から採取した単球(バベシア免疫単球)と健康ビーグルからの単球(正常単球)にバベシア含有赤血球を添加して30分後の貪食率を求めると, それぞれ26%および9.4%であった. これらの培養層中に, バベシア免疫新鮮血清を投与すると, それぞれの貪食率は56.6%および21.4%に増加した. 正常単球がバベシア免疫リンホカインあるいは正常リンパ球培養上清と共に24時間培養されて後, バベシア原虫含有赤血球を単球培養層に添加した. 添加後2時間での単球の赤血球貪食率は, それぞれ14.1%および5.6%で, 正常単球の貪食性は免疫リンホカイン添加培養により約3倍亢進した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1979-10-25
著者
-
鈴木 直義
帯広畜産大学原虫病分子免疫研究センター
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鈴木 直義
帯広畜産大学家畜生理学教室
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長沢 秀行
帯広畜産大学家畜生理学教室
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長沢 秀行
帯広畜産大学原虫病研究センター
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鈴木 直義
帯広畜産大学
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石嶺 毅
大阪大学微生物病研究所原虫部門
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