クロバー根粒菌のアミノ酸利用について
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概要
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クロバー根粒菌が,増殖や呼吸にいかなる種類のアミノ酸を利用するかを調べた。結果は次のごとし。1)調べられたアミノ酸のうち,数種のものが唯一の炭素窒素源として本菌の増殖に用いられる。2)L-アラニンとD-アスパラギンは,単独では本菌の増殖に利用されないが,マンニットのような炭素源を与えると利用される。3)本菌はアミノ酸単独の培地よりも,マンニットを添加した培地の方がよく増殖する。4)2,3のD型のアミノ酸が本菌の増殖に利用されるが,いずれも対応するL型のアミノ酸よりも悪い。5)本菌に呼吸基質として利用されるアミノ酸は,同時に増殖にも利用されるが,L-セリンは例外である。6)D-アスパラギン酸によって,D-アスパラギン酸の代謝に関与する酵素が誘導されるが,L-アスパラギン酸によっては起こらない。7)L-アスパラギン酸の代謝に関与する酵素は,L-およびD-アスパラギン酸を添加してもほとんど増加しない。8)L-アスパラギン酸,L-グルタミソ酸および`L-アルギニンは6.5〜7.0のpHで最もよく本菌の増殖に利用される。9)L-アスパラギン酸はかなりの高濃度でも,本菌の増殖に阻害効果を示さないが,L-グルタミン酸とL-アルギニンは高濃度になるにつれて増殖に阻害効果をもたらす。10)用いられたアミノ酸の種類によって,本菌の増殖に最適な温度は,多少変動するが,ほぼ25℃〜30℃である。
- 1968-05-31
著者
-
知地 英征
帯広畜産大学家畜生理学研究室
-
美濃 羊輔
帯広畜産大学環境植物学研究室
-
美濃 正一郎
帯広畜産大学昆虫学・植物生理学教室
-
林 広
帯広畜産大学第2家畜生理学研究室
-
美濃 羊輔
帯広畜産大学
-
林 広
帯広畜産大学家畜生理学研究室
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