発芽過程におけるトウモロコシ種子中のデンプン代謝に及ぼす乳酸菌発酵産物の影響

概要

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乳酸菌(Lactobacillus acidophilus)発酵代謝産物の発芽過程におけるトウモロコシ(Zea mays L. cv.Jelly bantam)種子中のデンプン代謝に及ぼす影響を調べた。種子を上記の産物をカーボングラファイトに吸着させたもの(LC)で粉衣した。無処理種子を対照とした。種子を胚乳,胚盤,および胚軸(根と芽)の3っの部位に分け,それぞれの部位につきα-アミラーゼ,β-アミラーゼ,枝切り酵素,ホスホリラーゼおよびインベルダーゼ活性を測定した。結果は下記の通りである。1)LC処理により,胚乳中のデンプンの分解が促進された。2)LC処理により,胚乳におけるα-アミラーゼおよびβ-アミラーゼ活性は増加した。しかし,胚盤および胚軸においてはLC処理と無処理の間に殆ど差異はみられなかった。3)LC処理により,胚乳における枝切り酵素および全ての部位におけるホスホリラーゼ活性は増加した。4)LC処理により,胚軸におけるインベルターゼ活性は増加したが,胚乳と胚盤においてはLC処理と無処理の間に差異はみられなかった。上記の結果から,LC処理による発根および地上部の生育促進の一因として,胚乳中の活発なデンプンの分解および胚軸中のインベルターゼ活性の増加が考えられる。
帯広畜産大学の論文
1991-11-30