食品汚泥コンポスト製根圏保護ボウルによる牧草(トールフェスク、Festuca arundinacea L.)の出芽と定着の促進
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
合土壌を埋設した。2001年6月にボウル埋設後、各区での出芽状況と草丈を、16週間に渡り調査した。また、16週目に分げつ数を、翌年の5月には生存植物の出穂数を調査した。2001年6月から9月までの総降雨量は過去30年間(1971-2000)の平均降雨量(577mm)とほぼ同じであり、灌水3回区、1回区、無灌水区での散水量を含めた16週間分の水分供与量はそれぞれ、約884mm、660mm、548mm 降水量に相当した。しかし、幼植物生長の最も大切な時期と考えられるボウル埋設後5週目から11週目の7週間に限定すれば、2001年の降雨量は44mm と極めて少なく(同時期の平均降雨量の約6分の1)、長期にわたって非常に乾燥した気象であった。この気象によって乾燥地帯の状況を再現でき、全ての実験区においてボウル埋設が著しい出芽とその後の幼植物の生長保護作用を示した。特にボウルの著しい保護効果は週1回灌水区で示された。週1回灌水ボウル無し区では幼植物は全く生存出来なかったが、ボウル区においては約40%のボウルで植物体が生存した。幼植物の分げつ数は1株当たり4cm ボウル埋設区で22となり、週3回灌水/ ボウル区のそれと同じであった。2002年春に生存個体の出穂数を調査したが、3回灌水/ 1cm および4cm 区においては8本/ 株であったが、1回灌水/ 1cm および4cm 区においては2〜4本/ 株であった。これはおそらく4cm 深部への埋設が何らかの負の生理的作用を生存株に与えた物と考えられた。しかし、生存個体×出穂数=生産量とすると、土壌環境がより安定する4cm 埋設区において、コンポストボウルはトールフェスクの出芽生存を保護することが明らかになり、出穂数の減少という一定の負の要素を越えて、乾燥地の緑化に非常に有効な農業資材に発展する可能性が示された。
著者
-
岡島 毅
新潟大学農学部
-
菅沼 僚
新潟大学大学院自然科学研究科
-
岡島 毅
新潟大学大学院自然科学研究科
-
三浦 瑞穂
新潟大学大学院自然科学研究科
-
萩野谷 功輔
新潟大学大学院自然科学研究科
-
小野 弘則
新潟大学大学院自然科学研究科
-
ハッサン アムジャッド
新潟大学大学院自然科学研究科
-
伊東 睦泰
新潟大学大学院自然科学研究科
-
堀 秀隆
新潟大学大学院自然科学研究科
-
伊東 睦秦
新潟大学農学部
-
堀 秀隆
新潟大学自然科学研究科
-
伊藤 睦泰
新潟大学農学部
関連論文
- イタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)に付着する微生物の菌種構成と乳酸菌添加による高水分サイレージの発酵特性
- デンプン生合成と分解
- 5-19 シバ型放牧草地における各種分げつの密度構成の実態
- 食品汚泥コンポスト製根圏保護ボウルによる牧草(トールフェスク、Festuca arundinacea L.)の出芽と定着の促進
- 刈取回次別のチモシー(Phleum pretense L.)とオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)混播牧草の付着微生物菌種構成,化学成分およびサイレージ発酵品質
- リ-ドカナリ-グラス(Phalaris arundinacea L.)の生育段階と乳牛による嗜好性
- リ-ドカナリ-グラスの生育期間中における品種別,時期別,ならびに部位別のアルカロイド含量の変化
- フフホト雑感(第21回国際草地学会議および第8回国際牧野会議合同会議報告)
- ホールクロップサイレージ調製における春播きオオムギの播種適期と収穫適期
- 春播オオムギのホールクロップサイレージ調製--発酵品質と飼料価値
- Morphological and eco-physiological variation among alfalfa cultivars with different cold hardiness : Growth and development of seedlings before wintering (Preliminary report)
- 孤立状態で生育するシバ(Zoysia japonica Steud.)ほふく茎各器官における発育の規則性
- 2-22 食品汚泥コンポスト製根圏保護ボウルによる牧草の出芽・定着の促進
- リードカナリーグラス (Phalaris arundinacea L.) サイレージの発酵品質に及ぼす酵素製剤の影響
- 5-12 孤立シバ(Zoysia japonica Staud.)ほふく茎における各種器官の分化・発育の秩序性
- 4-4 ケナフ葉身添加によるリードカナリーグラスサイレージの発酵品質改善
- 1-15 栽植密度がアルファルファの株の分枝構造と再生様式に及ぼす影響
- 1-14 群落下におけるシバほふく茎各器官の形成および発達に及ぼす刈取り頻度の影響
- 1-13 剪葉頻度を異にするトールフェスク群落における茎数密度の季節的推移と分げつの発生様式
- 7. セッション7 : 植物の生理と生長 (第18回国際草地学会議の概要(1))
- 1-23 刈取り頻度の違いがトールフェスクの群落生長と分げつ習性に及ぼす影響
- 1-19 シバ草地における密度維持機構について. : 3. 群落における個々のほふく茎の生育の様相.
- 7-5 CO_2の添加がリードカナリーグラスサイレージの発酵品質と埋蔵密度との関係に及ぼす影響
- 7-4 リードカナリーグラスサイレージの細胞壁成分に及ぼす酵素剤添加の影響
- 7-3 リードカナリーグラスサイレージの発酵品質に及ぼす酵素剤添加の影響
- 第21回国際草地学会議および第8回国際牧野会議合同会議報告
- リードカナリーグラス(Phalaris arundinacea L.)サイレージの細胞壁構成成分に及ぼす酵素製剤の影響
- イタリアンライグラス (Lolium multiflorum Lam.) に付着する微生物の菌種構成と乳酸菌添加による高水分サイレージの発酵特性
- コマツナ幼苗に優良な育成効果を示す食品産業汚泥コンポストのアルミニウム含量
- ネピアグラス(Pennisetum purpureum Schum.)は乳酸発酵型サイレージとなる
- ネピアグラスに増産ふすまを添加して調製したサイレージの栄養学的考察
- リードカナリーグラス(Phalaris arundinacea L.)サイレージの細胞壁構成成分に及ぼす酵素製剤の影響
- 根こぶ病抵抗性カブ(Brassica rapa L.)培養根へのFura-2の導入と細胞内Ca2+ 濃度の測定
- インドール-3-アセトアミドをインドール-3-酢酸に変換する酵素アミダーゼのカブ根こぶ病における役割の評価
- 12.根こぶ病罹病カブのオーキシン生合成とホルモンクロストークにおけるニトリラーゼの役割(口頭発表)
- カイコアミノペプチダーゼNの培養昆虫細胞膜への発現提示と殺虫性毒素Cry トキシン受容体機能の解析
- Brassica rapa 培養根の根こぶ病病原菌Plasmodiophora brassicae に対する抵抗反応のプロテオーム解析
- 27 食品産業汚泥コンポスト施用によるエダマメの根粒形成への影響(関東支部講演会,2008年度各支部会)
- コンポストによるスギ挿し木の発根と成長促進効果
- ショ糖密度勾配遠心法を用いた安定リポソームの作製とCry1A毒素との反応性の評価
- カイコ幼虫中腸細胞膜局在性のタンパク質のTritonX-114を用いた示差分画法
- カイコ幼虫中腸細胞のフォスファチジルイノシトール/UDP-GlcNAc:GlcNAc転移酵素活性
- 植物糖タンパク質の複合型の結合型糖鎖を特異的に認識するモノクローナ抗体の作製
- 新聞紙混合超高速食品汚泥発酵法の研究 : オガクズ混合法との比較研究
- 放牧牛の日中の採食行動型および採食行動の統計的分類
- 放牧家畜の採食行動と気象要因の関係
- 寒地型イネ科牧草の分げつ習性に関する形態学的研究 : V. 異なる光条件下における数種イネ科牧草の分げつ発生と分げつ芽形成について
- バラチス・チューリンゲンシスの殺虫性蛋白のコナガ殺虫活性に対する芽胞の相乗効果はバイオアッセイの後期では観察されない
- E108 Bacillus thuringiensis δ-endotoxin のコナガに対する生物活性に及ぼす胞子の影響(昆虫病理学 微生物的防除 共生微生物)
- A208 Bacillus thuringiensis serovar japonensis st. Buibuiを用いたコガネムシ類幼虫の防除(昆虫病理学・微生物的防除)
- E204 コガネムシ類に殺虫活性を示す新規Bacillus thuringiensis. : I. Buibui株の分離とその血清学的性状(微生物防除)
- 1-21 シバ草地における密度維持機構について : 2. シバ草地における匍匐茎と直立茎の発達の相互関係
- 1-20 シバ草地における密度維持機構について : 1. シバ草地における匍匐茎および直立茎の量的動態
- 刈取回次別のチモシー(Phleum pretense L.)とオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)混播牧草の付着微生物菌種構成,化学成分およびサイレージ発酵品質
- 食品汚泥肥料は海岸緑化で化成肥料に代わることが出来る--スナビキソウとハマニンニクの生長に及ぼす汚泥肥料の影響
- (21) Plasmodiophora brassicaeとカブカルスの感染初期反応について (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- Serratia marcescens の生産するプロディギオシンがハスモンヨトウに対する Bacillus thuringiensis Cry1C 内毒素の殺虫活性を増大させる
- B112 Bacillus thuringiensis δ-endotoxin のハスモンヨトウに対する殺虫性を増進する Serratia marcescens 上清中の活性成分について
- ハスモンヨトウに対する Bacillus thuringiensis Cry 1C トキシンの殺虫活性を増大する Serratia marcescens の培養上清の協力効果
- A115 Bacillus thuringiensis δ-endotoxin のハスモンヨトウに対する殺虫性を増強する Serratia marcescens 上清の特異活性について
- イネ培養細胞におけるグルテリンの発現および糖鎖付加
- ハトムギ(Coix lacryma-jobi L.)茎葉およびその搾汁残渣から調製したサイレージを給与したヤギの血漿中尿素,ケトンおよびコレステロール含量
- 成分分画によるハトムギ茎葉の有効利用 : 3. 搾汁残渣サイレージの飼料価値
- 成分分画によるハトムギ茎葉の有効利用 : 2. 緑汁液の高コレステロール血症抑制効果
- 成分分画によるハトムギ茎葉の有効利用 : 1.ハトムギ系統間の植物体収量比較および岡山在来種による緑汁液粉末の生産
- 数種寒地型イネ科牧草における分げつの発生・消長の動態
- E210 コガネムシ類に殺虫活性を示す新規Bacillus thuringiensis : VII. Buibui株の生産する殺虫性結晶タンパク遺伝子の塩基配列(微生物防除)
- 群落におけるリードカナリーグラス(Phalaris arundinacea L.)既存分げつの生育形態
- E205 コガネムシ類に殺虫活性を示す新規Bacillus thuringiensis : II Buibui株の細菌学的性状(微生物防除)
- イタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)およびそのプレスケーキから調製したサイレージおよび乾草のヤギによる栄養価比較
- 草地群落における競争の変遷に関する研究 : 3.播種造成されたペレニアルライグラス・トールフェスキュ群落の種間競争の経時的推移
- Bacillus thuringiensis Cyt2Aaトキシンとホスファチジルコリンリポソームの相互作用
- レッドトップ放牧草地における乾物生産の季節変動に関与する諸要因
- レッドトップ放牧草地の物質生産 : 2.乾物生産の季節的推移に関与する諸要因-主成分分析-
- レッドトップ放牧草地の物質生産 : 1.乾物生産の季節的推移と多量窒素施肥の影響
- 草地群落における競争の変遷に関する研究 : 5.同一栄養系で造られたペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)・トールフェスク(Festuca arundinacea L.)群落の低頻度刈り下での種間競争の推移
- コガネムシ類幼虫に特異的な Bacillus thuringiensis
- Bacillus thuringiensis (BT) 剤の UV安定性室内評価方法について
- Bscillus thuringiensisの培養上清に存在する, 〓-endotoxinの殺虫活性を増進する物質について (1)増進物質の特徴
- E211 コガネ虫類に殺虫活性を示す新規Bacillus thuringiensis : VIII. Buibui株の生産する殺虫性結晶タンパク遺伝子の最小活性部位決定の試み(微生物防除)
- D108 B. thuringiensis殺虫蛋白(CrylAc)に抵抗性と感受性コナガの中腸消化液の比較(殺虫剤 作用機構・抵抗性 生化学)
- Bacillus thuringiensisの培養上清に存在する, 〓-endotoxinの殺虫活性を増進する物質について (1)生物活性の特徴
- E323 BT剤のコナガに対する殺虫活性に及ぼす芽胞の影響(生物的防除・微生物防除)
- 高温・高圧蒸煮した家庭生ごみの成分組成および飼料母剤としての再利用
- リードカナリーグラス(Phalaris arundinacea L.)草地における分げつの発生・生長の動態
- 草地群落における競争の変遷に関する研究 : 4.各同一栄養系で造られたペレニアルライグラス・トールフェスク群落の頻繁刈下での種間競争の経時的推移
- 利用形態と来歴の異なる草地植生の主成分分析による分類
- リードカナリーグラス(Phalaris arundinacea L.)とオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)幼植物における発育形態の比較
- 数種デントコーン品種の出葉経過,止葉葉位,ならびに節位別器官サイズの向頂的推移
- オーチャードグラス草地における時期別の分げつの発生・消長とその草地生産にはたす役割
- 高温・高圧蒸煮した家庭生ごみの成分組成および飼料母剤としての再利用
- リードカナリーグラスの既存分げつの生育と休眠分げつ芽の発育の相互関係
- イタリアンライグラスサイレージ発酵に関与した Clostridia の分離, 生理・生化学的性質および菌種同定
- 寒地型イネ科牧草の分げつ習性に関する形態学的研究 : IV.群落におけるオーチャードグラスの分げつ芽の形成とその休眠について
- 寒地型イネ科牧草の分げつ習性に関する形態学的研究 : III.草地群落におけるオーチャードグラス分げつの出葉の規則性とその攪乱について
- 寒地型イネ科牧草の分げつ習性に関する形態学的研究 : II.劣悪環境条件下におけるオーチャードグラス幼植物の分げつ発生の規則性とその攪乱について
- 寒地型イネ科牧草の分げつ習性に関する形態学的研究 : I.好適環境条件下におけるオーチャードグラス幼植物の分げつの発生と分げつ芽の形成・発育-その規則性について
- Bacillus thuringiensis Cyt2Aa トキシンとホスファチジルコリンリポソームの相互作用
- 食品汚泥肥料は海岸緑化で化成肥料に代わることが出来る : スナビキソウとハマニンニクの生長に及ぼす汚泥肥料の影響
- 刈取回次別のチモシー (Phleum pretense L.) とオーチャードグラス (Dactylis glomerata L.) 混播牧草の付着微生物菌種構成, 化学成分およびサイレージ発酵品質