コマツナ幼苗に優良な育成効果を示す食品産業汚泥コンポストのアルミニウム含量
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概要
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裁断新聞紙(12mm ×3mm)を食品汚泥重量の13%混合して発酵槽に投入し直ちに、30℃ 前後の空気を、発酵槽底面積1m2あたり80 L/ 分で送風して発酵を促し、古紙混合汚泥をコンポスト化した(以下これを古紙コンポストと称する)。古紙コンポストは化成肥料に比較して、コマツナの生長をより良く促進した。古紙コンポストを、500g土壌当たり200mg 窒素相当分施用し、コマツナの発芽および生長試験を行ったところ、発芽とその後の生長は全く阻害されなかった。一方、化成肥料を上記コンポストと同量の窒素相当分施用したところ、発芽は40%程の減少であったが、生長は殆ど出来なかった。一般に余剰食品汚泥を凝集するために凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)が活性汚泥を用いた排水浄化システムの中で使用される。このポリ塩化アルミニウムの食品汚泥コンポストへの残留を調べるために、古紙コンポスト中のアルミニウム含量を測定した。含量は160-230mg/kg 乾物であった。食品汚泥コンポストの成分即ち、食品汚泥と新聞紙のアルミニウム含量は、それぞれ110および149mg/kg 乾重であった。食品汚泥に混合した裁断新聞紙および汚泥そのものの水分含量はそれぞれ9%、89%であった。これらの水分量、アルミニウム含量から乾燥古紙コンポストに含まれるAl 量に対する汚泥、副資材のAl 量の寄与は、汚泥由来37%、古紙由来63%であった。従って、コンポストに存在するAl は殆どが汚泥と新聞紙に由来し、凝集のために加えられた、ポリ塩化アルミニウムは汚泥回収の過程で流れ去り、コンポストには残留しないと推定された。一方、市販の肥料、過リン酸石灰、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、ハイポネックス液肥、発酵鶏糞のアルミニウム含量を測定したところ、過リン酸石灰で1mg/kg であったが他の場合には殆ど検出できなかった。古紙コンポストに含まれるAl 含量は低く、実験圃場土壌の含量のそれより少なかったが、古紙コンポスト由来のAl について、長期使用による蓄積については今後観察をする必要があると考えられる。この点で我々の今回の基礎知見はそれらの研究に必要な基礎データを供給したものである。
著者
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高橋 仁美
新潟大学大学院自然科学研究科
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早川 徹
岡山大学大学院自然科学研究科
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三浦 瑞穂
新潟大学大学院自然科学研究科
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萩野谷 功輔
新潟大学大学院自然科学研究科
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小野 弘則
新潟大学大学院自然科学研究科
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堀 秀隆
新潟大学大学院自然科学研究科
-
野口 理絵子
新潟大学大学院自然科学研究科
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モハマド モンジル
新潟大学大学院自然科学研究科
-
高屋 浩衣
新潟大学大学院自然科学研究科
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早川 徹
新潟大学大学院自然科学研究科
-
堀 秀隆
新潟大学自然科学研究科
-
野口 理恵子
新潟大学大学院自然科学研究科
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