根こぶ病抵抗性カブ(Brassica rapa L.)培養根へのFura-2の導入と細胞内Ca2+ 濃度の測定
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概要
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我々は以前の研究において、カブ(Brassica rapa L.)幼根から誘導した培養根を用い、根こぶ病菌Plasmodiophora brassicaeに対する初期抵抗反応の誘導にCa2+ が必要であることを示した(Takahashi et al., 2006)。本研究では、根こぶ病抵抗反応におけるカブ培養根の細胞内Ca2+ 濃度([Ca2+]cyt)の変動を調査するため、Ca2+ の蛍光指示薬Fura-2のアセトキシメチルエステル(Fura-2/AM)をカブ培養根に導入し、蛍光顕微鏡により[Ca2+]cyt を定量的に解析することを試みた。蛍光顕微鏡下で細胞質内にFura-2が導入されたことが確認できたカブ培養根に、カルシウムイオノフォアA23187とCa2+ を同時に処理すると、直ちに[Ca2+]cyt の相対値を示すFura-2蛍光比が上昇したことから、Fura-2/AM を用いた本手法は、培養根における[Ca2+]cyt の変化を観察するのに適していることが示された。さらに[Ca2+]cyt を増加させることが知られている外的刺激として、マンニトール及びNaCl の高濃度処理を行ったところ、同様なFura-2蛍光比の急激な増加が観察され、本手法の汎用性が示された。次に、我々は本来の目的である根こぶ病抵抗反応における[Ca2+]cyt の解析に本手法を応用した。Fura-2/AM を導入した根こぶ病抵抗性カブ培養根にP. brassicae の休眠胞子を処理しても、500秒の測定時間内に[Ca2+]cyt が変化することは無かった。しかし休眠胞子を発芽促進液(GES: germination enhancing suspension)で前処理し、同様の実験を行ったところ、非常にわずかであったものの、再現性ある[Ca2+]cyt の上昇が観察された。根こぶ病に対する初期抵抗反応におけるCa2+ の重要性を立証するためには、今後さらなる解析が必要であるが、その過程において本手法は大きく貢献するものと期待される。
- 新潟大学の論文
著者
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早川 徹
岡山大学大学院自然科学研究科
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堀 秀隆
新潟大学大学院自然科学研究科
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早川 徹
新潟大学大学院自然科学研究科
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伊藤 紀美子
新潟大学大学院自然科学研究科
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高橋 秀行
新潟大学大学院自然科学研究科
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石川 寿樹
新潟大学大学院自然科学研究科
-
三ツ井 敏明
新潟大学大学院自然科学研究科
-
伊藤 紀美子
新潟大学自然科学研究科
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三ツ井 敏明
新潟大学自然科学研究科
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堀 秀隆
新潟大学自然科学研究科
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