イネゴルジ体プロテオーム
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概要
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イネ培養細胞から単離したNDPase-結合ゴルジ体膜のショットガンプロテオミック解析を多次元液体クロマトグラフタンデム質量分析装置を用いて行った。ゴルジ体膜には可逆性グリコシル化ポリペプチド、キシロシルトランスフェラーゼ、液胞選別レセプターに加えて、N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼI様タンパク質(GNTI-LP)が含まれていた。無細胞転写・翻訳系を用いてcDNAクローンから合成したGNTI-LPは、(Man α1-6)(Man α1-3)(Man)3-(GlcNAc)2-PAとUDP-GlcNAcから(GlcNAc β1-2)(Man α1-6)(Man α1-3)(Man)3-(GlcNAc)2-PAを形成する反応を触媒し、N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIであることが明らかになった。酵素反応の至適pHは8.0であるが、酵素活性はpH5からpH8の広い範囲で維持された。また、至適温度は30℃であった。酵素はMn(2+)とMg(2+)を要求し、EDTAにより活性が阻害された。UDP-GlcNAcに対するKm値は0.58μMを示した。さらに、膜貫通ドメインを含むN末端領域(M1からQ120)は酵素活性に必須ではないことが分かった。抗GNTI-LP抗体を用いたウエスタンブロット解析によりゴルジ膜は確かにSDSゲル中で51kDaのバンドとして泳動されるタンパク質を蓄積することが明らかになった。
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