酵母抽出液(アグリボEX)処理によるPR遺伝子群発現誘導機構の解析
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概要
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アグリボEX(株ビスタ製)は酵母抽出液を原料とする植物活力剤であり,発根促進,徒長抑制などとともに,病害抑制効果もみられる.病害抑制機構としては,この酵母抽出液(アグリボEX)自体に抗菌作用がないことから,本処理が植物が本来有する抵抗性を誘起して効果を発揮するものと考えられた.この酵母抽出液にタバコ葉片を浸漬処理すると,塩基性PR-1,-2および-6遺伝子の発現が誘導された.これら塩基性PR遺伝子群はエチレンで誘導されることが知られているので,エチレン発生剤であるエテホン処理やエチレン作用阻害剤であるチオ硫酸銀錯塩(STS)を処理し,タバコPR-1,-2,-3および-5タンパク質群の増減を調べた.その結果,エテホン処理で誘導される分子種がこの酵母抽出液処理で誘導され,その誘導はSTS処理により阻害されることが分かった.また,この酵母抽出液自身からエチレンが発生すること,およびこの処理により植物からのエチレン発生が促進されることが認められた.これらの結果から,この酵母抽出液はエチレンシグナル伝達経路を介して植物の病害抵抗性誘導に寄与するものと考えられる.
- 日本植物病理学会の論文
- 2007-05-25
著者
-
長谷川 守文
茨城大学農学部
-
光原 一朗
生物研
-
大橋 祐子
農生資研
-
瀬尾 茂美
農業生物資源研
-
大橋 祐子
農業生物資源研
-
光原 一朗
農業生物資源研
-
松浦 雄介
(株)ビスタ
-
光原 一郎
生物研
-
小原 直美
(株)ビスタ:農業生物資源研究所 植物科学研究領域 植物・微生物間相互作用研究ユニット
-
小原 直美
(株)ビスタ:生物研
-
長谷川 守文
茨城大・農学部
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