医的危険選択の実務と責任開始期前発病不担保条項
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概要
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責任開始前発病不担保条項は契約締結後に危険選択を行って,告知義務制度によって果たせない危険選択を補完し,予定事故率を維持するためにある。責任開始前発病不担保条項の中で,責任開始前の疾病が保険事故の原因か否かつまり因果関係を,高度障害給付と特定疾病給付の急性心筋梗塞・脳卒中は問うているのに対して,入院給付と特定疾病給付の悪性新生物は問うていない。保険期間中不払いを主張できる責任開始前発病不担保条項は,責任開始後2年以内であれば因果関係の不存在の証明がなくば契約を解除できる告知義務制度と異なり,責任開始期前発病の疾病と支払事由との間に極めて高い蓋然性(直接の因果関係)がある場合に適用するのが,本来の趣旨であったのではなかろうか。告知の有無あるいは特別条件の有無に関わらず,責任開始前発病不担保条項を適用するならば,その旨契約締結時に契約者側に説明し理解・納得を得ておく必要があろう。
- 2005-09-17
著者
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