経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行例の予後調査 : 1枝病変を中心とした検討

概要

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東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所で過去11年間に施行されたPTCA症例の予後を,1枝病変を中心に検討した。全施行例655例の成功率は83.6%,1枝病変に対する初回施行例の成功率は84.0%であった。予後調査の方法は,初回PTCA施行日を契約加入日と想定し,追跡調査は電話確認もしくは東京女子医大心研受診時に行った。1枝病変に対する初回PTCA施行例のうち患者成功218例(男186例,女32例,平均年齢57±9歳)について,生命表法に基づき死亡指数,入院給付指数,手術給付指数を検討した。観察期間は平均2年8ヶ月(最長10年4ヶ月),追跡率は93.0%であった。実死亡数は7例全て男で,全経過を通じた死亡指数は76,死亡率は0.8%,入院給付指数は186,入院率は20.9%,手術給付指数は184,手術施行率は5.3%であった。全経過中で,第1年度の死亡指数は201,入院給付指数は403,手術給付指数は568,第2年度の死亡指数は0,入院給付指数は178,手術給付指数は117,であり,第2年度までに全入院の81%,全手術の91%が集中していた。一定年数を経過した患者成功例は保険体となり得ることが示唆された。
日本保険医学会の論文
1992-12-15