心筋梗塞症例の予後調査 : 1枝病変を中心とした検討

概要

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過去12年間に急性心筋梗塞の診断のもとに,東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所へ入院した症例の予後を,1枝病変を中心に検討した。予後調査の方法は,発症日を契約加入日と想定し,電話確認もしくは東京女子医大心研受診時に行った。発症日後60日以内にCAGにより1枝病変(75%以上の狭窄)と確認された430例のうち,死亡退院11例と1年以内に追跡不能となった30例の合計41例を除いた389例(男333例,女56例,平均年齢57±10才)について,第5回日本全会社生命表および昭和62年年齢別予定疾病入院率・予定手術率を用いて,死亡指数・入院給付指数・手術給付指数を算出した。観察期間は,平均4年9ケ月(最長13年11ケ月)であった。実死亡数は22例で,全経過を通じた死亡指数は98,死亡率は0.01175,入院給付指数は75,入院率は0.102564,手術給付指数は159,手術施行率は0.045940であった。経過年度別の死亡指数は,第1年度96・第2年度81・第3年度93・第4年度78・第5年度147・第6年度以降が104であった。急性期死亡を除いた急性心筋梗塞症例中,1枝病変例については,保険体となり得ることが示唆された。
日本保険医学会の論文
1993-12-15