オテボウ由来α-アミラーゼインヒビターのサブユニットの単離

概要

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オテボウから分離精製された2種類のα-アミラーゼインヒビター(OAI-1,OAI-2)のうちOAI-1について,OAI-2同様変性条件下でゲル濾過HPLCを行いサブュニットに分離した.溶出時間15分,16分,19分にそれぞれサブュニットIII,I,IIが分離され,OAI-1は3種のサブュニットから構成されていることが示された.なお,サブュニットIIIはOAI-2には存在しないものであった.各サブュニットについてN末端から20残基までのアミノ酸配列分析を行ったところ,サブュニットIIとIIIは,ほぼ同一シークエンスを示したが,10残基目がそれぞれグリシン及びアラニンと異なっていた.また,サブユニットIIとIIIの12残基目は未同定であった.しかしながら,12残基目からのトリペプチドの配列よりここには糖鎖を結合したアスパラギンの存在が示唆された.OAI-2との比較では,両者共サブュニットIとIIはそれぞれ同一シークエンスを示した.このことより,阻害活性及び熱安定性における異なりは,OAI-1及びOAI-2のサブュニット構成の違いに由来するものと推定された.
武庫川女子大学の論文