トラマメとウズラマメのα-アミラーゼインヒビターの精製と性質
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概要
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トラマメ,ウズラマメの全粒微粉末試料より,水抽出,硫安塩析,DEAE-Sepharose FFイオン交換クロマトグラフィー,Sephacryl S-200HRゲルろ過にてタンパク質性のα-アミラーゼインヒビターTAIとUAIを精製した.TAIとUAIは,焦点電気泳動から等電点は,pH4.6及びpH4.54と近く,糖含量は共に約15%であった.Sephacryl S-200HRのゲルろ過による分子量は,45,000±5,000であった.ディスク電気泳動では,TAIとUAI共にブロードではあるが単一バンドを示した.しかし,SDS電気泳動では,両者に分子量約14,000〜20,000の範囲に易動度の類似する4本のバンドが観察されたことにより,インヒビターはサブユニットから構成されることが示唆された.アミノ酸分析の結果システインが存在しないことから,これらサブユニット間には-S-S-結合以外の相互作用が働いていることが推定された.また,アミノ酸組成においてもTAIとUAIは非常に高い類似性を示した.更に,70℃(pH6.9)における熱安定性は,TAI,UAI共に20分まで安定であり,2時間でほぼ失活した.ブタ膵臓α-アミラーゼに対してもTAIとUAIは,同じ阻害能力を有していた.以上のことから,トラマメ,ウズラマメから精製したα-アミラーゼインヒビターTAIとUAIは,同一の構造を有するインヒビターである可能性が高いと考えられた.
著者
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田代 操
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
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澤田 小百合
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
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田代 操
武庫川女子大学
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竹田 由里
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
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金森 正雄
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
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山口 美子
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
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田代 操
武庫川女子大学大学院生活環境学研究科 食物栄養学専攻:武庫川女子大学生活環境学部 食物栄養学科
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金森 正雄
武庫川女子大学家政学部
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