インゲン属マメ由来α-アミラーゼインヒビターのサブユニットの単離

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トラマメ,ウズラマメ,ダイフク,オテボウ,ムラサキハナマメ,シロハナマメより得られたタンパク質性のα-アミラーゼインヒビター,TAI,UAI,DAI,OAI-2,MAI-2,SAI-2は,Cysを含まぬサブユニット構造を構成していることから,各AIのサブユニットの分離を検討した.各AIは,6M塩酸グアニジンに溶解後加熱処理したものを変性AI試料とした.変性TAIについて8M尿素存在下でDEAE-Sephacelイオン交換クロマトグラフィーとゲルろ過HPLCを行ったところ,イオン交換クロマトグラフィーでは,未吸着部と0〜1.0M食塩グラジエント溶出部にそれぞれαとβのタンパク質画分が分離回収された.一方,ゲルろ過HPLCでは溶出時間16分と19分にそれぞれIとIIのタンパク質ピークが分離溶出した.更に,N末端から20残基までのアミノ酸配列分析では,αとIIが同一シークエンスを示し,また,βとIが同一シークエンスであった.このことよりTAIは,分子量の異なる2種類のサブユニットα(II)とβ(I)から構成されていることが示された.TAIと同様にUAI,DAI,OAI-2,MAI-2,SAI-2についてもゲルろ過HPLCでサブユニットの分離を行ったところ何れも溶出時間16分にβ,19分にαサブユニットが溶出し,分子量の異なる2種類のサブユニットから構成されていることが示された.各AIのサブユニットについてN末端から20残基までのアミノ酸配列分析を行ったところαサブユニットは,TAI,UAIの7残基目がイソロイシンで,10残基目がアラニンであったがDAI,OAI-2,MAI-2,SAI-2はそれぞれアスパラギンとグリシンであった.また,何れのAIも12残基目は未同定であった.12残基目からのトリペプチドの配列より12残基目はアスパラギンと考えられ,そこにアスパラギン結合型糖鎖の存在が示唆された.一方,βサブユニットでは,MAI-2,SAI-2の15残基目がリジン,16残基目がフェニルアラニンであったがTAI,UAI,DAI,OAI-2はそれぞれグルタミン酸とセリンであった.

インゲン属マメ由来α-アミラーゼインヒビターのサブユニットの単離

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