看護技術におけるイノベーションの普及に関する研究(第6報) : 根拠に基づくイノベーティブ看護技術の採用度と革新性との関連

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看護師がイノベーションと認識し、かつ、研究的根拠が明白な看護技術の採用程度と、スタッフナースおよび看護部責任者の革新性との関連、さらにスタッフナースの革新性について探求することを目的に、病床規模別に無作為抽出した看護部責任者141名、及び、各病院10名のスタッフナース計1410名を対象に調査した。スタッフナースには、根拠のあるイノベーティブ看護技術22項目について、E.M.Rogersの普及決定過程における段階モデルを用いて質問し、採用度を算出した。また、スタッフナースの革新性は、イノベーションの採用・普及の促進に影響を与える「個人的な感情」や、組織の体制、上司の姿勢、意思決定プロセス、人間関係など個人がとらえる「所属する組織の文化や風土」を総称したもので、31の質問項目からなる、スタッフナース用革新性質問紙を用い調査した。看護部責任者の革新性については、組織の風土、看護部のパワー、人材の戦略的活用などの22項目からなる看護部責任者用革新性質問紙を用いた。返送された127部(90.1%)中、有効回答124施設のスタッフナース886名と看護部責任者の回答を分析した結果、以下のことが明らかになった。スタッフナースの採用度と革新性31項目との相関を求めた結果、p<0.001で相関のある項目の概要は、関心領域やテーマを持ち、専門性の高い知識・情報・技術を習得したいという希望がある、研修や見学に参加してきた場合は、得た内容を伝達しなればならないと感じる、文献やデータを用いて説明するなどであり、意欲をもった人材が、イノベーションの採用・普及の促進に大きな影響を及ぼすと考えられた。病棟責任者の姿勢、病棟の雰囲気・協力体制、専門性の高い看護師の存在、情報収集と伝達への役割意識、受け入れにくさに影響するエビデンス、医師との関係性などがスタッフナースの革新性を説明する因子として抽出され、感情的抵抗感は普及を阻害するものと考えられた。看護部責任者の革新性と採用度との関連はみられなかった。
青森県立保健大学の論文
2005-12-28

看護技術におけるイノベーションの普及に関する研究(第6報) : 根拠に基づくイノベーティブ看護技術の採用度と革新性との関連

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