人工飼料によるナカジロシタバの飼育
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ナカジロシタバの大量飼育の簡易化を図るため,インセクタF-II(日本農産工業(株)製)を基礎飼料とする人工飼料の調製を試みた。サツマイモ葉を熱風乾燥,煮沸後熱風乾燥および電子レンジ乾燥の3通りの方法で処理し,基礎飼料とそれぞれ1:9,2:8,3:7の割合で配合した人工飼料を調製した。それぞれふ化直後の幼虫30頭に与え,25℃,14L10Dの条件下で飼育した結果,各種飼料における生存率は,配合割合においては30%が,熱処理法では電子レンジ乾燥が高かった。電子レンジ乾燥30%飼料での蛹化率がもっとも高く,90%であった。一方,各種飼料においての発育期間,蛹重に大きな違いは認められなかった。このことから,基礎飼料にサツマイモ葉乾燥粉末を配合した人工飼料で,本種幼虫をふ化直後より飼育することが可能で,電子レンジによる乾燥がもっとも適していると考えられた。人工飼料調製の簡易化を目的として,ペーストおよび煮汁を配合した人工飼料を調製した。ペーストを乾燥重量に換算し,基礎飼料と1:9,2:8,3:7の割合で調製した人工飼料,これに煮汁を加えたものおよび基礎飼料に煮汁を加えたものを調製し,ふ化直後の幼虫30頭に与え,25℃,14L10D条件下で飼育した。その結果,ペーストだけおよびペーストにに煮汁を加えた飼料での生存率は50%に満たなかった。一方,基礎飼料に煮汁を加えた飼料における生存率は70%であったことから,煮汁を利用した人工飼料調製の簡易化は可能であると考えられた。
- 2006-03-01
著者
-
坂巻 祥孝
鹿児島大学農学部
-
櫛下町 鉦敏
鹿児島大学農学部
-
櫛下町 鉦敏
鹿大・農
-
津田 勝男
害虫学研究室
-
東中 祐枝
害虫学研究室
-
坂巻 祥孝
害虫学研究室
-
井上 栄明
害虫学研究室
-
上和田 秀美
害虫学研究室
-
櫛下町 鉦敏
害虫学研究室
-
津田 勝男
鹿児島大 農
-
Tsuda Katsuo
Laboratory Of Plant Pathology And Entomology Faculty Of Agriculture Kagoshima University
-
東中 祐枝
害虫学研究室:(現)株式会社フジ環境サービス
-
上和田 秀美
害虫学研究室:鹿児島県農業試験場大隅支場:(現)鹿児島県農業試験場病虫部
関連論文
- 鹿児島県育成キク品種'きゅらキッズ'のマメハモグリバエに対する抵抗性
- 鹿児島県薩摩半島南部の野菜・花卉栽培温室内外におけるマメハモグリバエおよびトマトハモグリバエの種構成と寄主植物
- チャドクガに対する浸透移行性殺虫剤の株下散布および土壌施用の効果
- 20年以上水中保存した7種核多角体病ウイルスのハスモンヨトウSpodoptera litura幼虫に対する病原性
- トマトサビダニ寄生数の簡易調査法
- 天敵昆虫アカメガシワクダアザミウマHaplothrips brevitubus (Karny) の捕食レパートリーおよび鹿児島大学農学部学内圃場における季節消長
- 異なる選択圧および採卵方法で飼育されたウリミバエ増殖2系統の長期間にわたる産卵量の変化
- ミツユビナミハダニTetranychus takafujii Ehara & Ohashiの殺ダニ剤および殺虫剤感受性
- 日本においてタケ・ササ類タケノコを加害する鱗翅類
- D107 マメノメイガを大量増殖するための成虫性比について(飼育法・栄養学)
- 性フェロモントラップによるハスモンヨトウ雄成虫の捕獲に対する風速の影響
- 人工飼料によるナカジロシタバの飼育
- 土壌水分保持による非病原性Erwinia carotovora水和剤の軟腐病防除効果向上(九州部会講演要旨,平成17年度地域部会講演要旨)
- 人工飼料を用いたコブノメイガの大量飼育体系の開発
- D302 鱗翅目害虫の海外飛来の可能性(一般講演)
- 南九州の水田におけるコブノメイガ成虫密度および雌成虫交尾率の季節的消長
- A227 南日本及び東南アジアにおけるハスモンヨトウの発生消長(生理活性物質)
- 昆虫自動計数装置「ムシダス」の計数精度、誘殺パターン解析と今後の利用
- 鹿児島在来マメ類圃場において観察されたマメハモグリバエの宿主選好性
- mono情報特大号 新規薬剤トルネードフロアブルの特性と使用場面(鹿児島県の事例)
- 人工飼料によるコブノメイガの飼育
- C217 ハスモンヨトウの性フェロモンを利用した昆虫自動計数装置の開発(病理学・微生物的防除,発生予察・被害解析)
- 自動計数機能付き昆虫誘殺装置「ムシダス」 (主張 「新防除運動」と地域の情報活用--病気も害虫もおさまる「減農薬空間」づくりにむけて)
- F213 本土と異なる性フェロモン反応性を示す南西諸島のコブノメイガ個体群(生理活性物質)
- ダイジョ(Dioscorea alata L.)塊茎の肥大生長の転換と内生ジャスモン酸含量の推移との関係
- ダイジョ(Dioscorea alataL.)塊茎の肥大生長の転換と内生植物ホルモンとの関係
- マメハモグリバエとトマトハモグリバエの産卵および発育に対する3種寄主植物の適合性
- 鹿児島県において野菜・花卉類を加害するナスハモグリバエ,マメハモグリバエおよびトマトハモグリバエの種構成
- ヒゲナガヤチバエの生活史
- 425 桜島火山降灰地帯のカンキツ園における昆虫相
- C44 鹿児島県馬毛島で大発生したトノサマバッタの疫病による終息(生態学)
- Prevalence of latent virus in Spodoptera litura (Fabricius) (Lepidoptera: Noctuidae) and its activation by a heterologous virus
- 蛹を用いたハスモンヨトウ核多角体病ウイルスの大量増殖
- マメノメイガ細胞質多角体病ウイルスのマメノメイガに対する病原性
- マメノメイガ(Maruca vitrata)の発育に関する温度反応(鱗翅目,ツトガ科)
- 南九州のチャ園から採取したウスコカクモンハマキAdoxophyes dubiaおよびチャノコカクモンハマキAdoxophyes honmaiのコカクモンハマキ顆粒病ウイルス感受性
- マメノメイガの産卵と成虫の寿命におよぼす温度の影響
- マメノメイガの簡易人工飼料とその人工飼料飼育下における増殖効率
- H227 人工飼料によるマメノメイガの飼育(生理活性物質 飼育法 栄養学)
- トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)の発育零点と有効積算温度
- 鹿児島におけるケナフの害虫相とその主要種の発生消長
- スイゼンジナを加害する害虫の生態学的研究 3. 鹿児島県内における害虫相と主要種の発生および被害の消長(II)
- 久万田敏夫博士米国鱗翅学会カール・ジョーダン・メダル賞を受賞
- 大学研究室紹介--キャンパスだより(10)鹿児島大学農学部害虫学研究室
- 食餌の異なるハスモンヨトウSpodoptera litura (Fabricius)の発育と繁殖特性
- 南九州におけるアオドウガネの発生経過
- Comparison of the reproductive potential of three Orius species, O. strigicollis, O. sauteri, and O. minutus (Heteroptera: Anthocoridae), using eggs of the Mediterranean flour moth as a food source
- スイゼンジナを加害する害虫の生態学的研究 : 2.鹿児島県内における害虫相と主要種の発生および被害の消長(I)
- スイゼンジナを加害する害虫の生態学的研究 : I.鹿児島市におけるスイゼンジナの害虫相とその主要種モンシロモドキの寄主範囲
- C213 卵寄生蜂(Trichogramma sp.)の大量放飼によるオオタバコガ防除の試み(寄生・捕食・生物的防除)
- オオタバコガの性フェロモンによる発生の把握と卵寄生蜂による防除
- 各種飼料で飼育したオオタバコガ幼虫の発育 (特集 難防除害虫対策--オオタバコガ)
- 環境Eco選書3「絵かき虫の生物学」, 広渡俊哉編, A5判, 248頁, 北隆館, 定価3,150円(税込), ISBN978-4-8326-0723-1
- Further Studies on the Biological Activity and Identification of Nucleopolyhedrovirus Isolated from Spodoptera litura in Japan
- High Temperature as a Stressor of Spodoptera litura Latent Virus
- J105 Identification and characterization of a nucleoplyhedrovirus isolated from Mythimna separata (Lepidoptera : Noctuidae)
- チャ葉の延命処理によるチャノホソガの室内飼育法
- オオタバコガの発生生態と防除
- ウリ科うどんこ病菌及びすす病菌を与えたスワルスキーカブリダニの発育と産卵