蛹を用いたハスモンヨトウ核多角体病ウイルスの大量増殖
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ハスモンヨトウ核多角体病ウイルスをより効率的に増殖するために,蛹へのウイルス接種による多角体の大量増殖を検討した。また,蛹の時期に死亡することを想定して6齢幼虫に多角体を経口接種して蛹期で回収する方法を検討した。感染幼虫の体液から採取したBudded virusを接種源とし,マイクロシリンジによりハスモンヨトウの蛹に経皮接種した。接種量は5μlと10μl,20μlでウイルスの生成量に差は認められなかった。接種時期は蛹化後1日目から3日目では差が認められなかった。接種部位を胸部,生殖器および腹部として蛹に経皮接種した結果,1頭あたりの多角体数は10^8個程度であった。また,ウイルス接種後の蛹内での多角体数は接種4日目に1頭あたり10^8個に達したが,以後の増加は認められなかった。6齢幼虫および前蛹にBudded virusを経皮接種して蛹期に多角体を回収することが可能であったが,1頭あたりの多角体数は10^8個程度であった。6齢幼虫後期に多角体を経口接種した場合は蛹で死亡することが認められた。このことから6齢幼虫に経口接種し蛹でウイルスを回収することが可能であると考えられたが,回収された多角体数は,1頭あたり10^8個程度であった。以上のことから,蛹におけるNPV多角体の増殖については,蛹化3日目までの蛹の腹部にbudded virusを5μlずつ経皮接種する方法がもっとも効率的であると考えられた。
- 鹿児島大学の論文
- 2006-03-01
著者
-
坂巻 祥孝
鹿児島大学農学部
-
櫛下町 鉦敏
鹿児島大学農学部
-
櫛下町 鉦敏
鹿大・農
-
佐藤 史子
害虫学研究室
-
津田 勝男
害虫学研究室
-
坂巻 祥孝
害虫学研究室
-
櫛下町 鉦敏
害虫学研究室
-
東 理香
害虫学研究室
-
東 理香
害虫学研究室:(現)株式会社フジ環境サービス
-
津田 勝男
鹿児島大 農
-
Tsuda Katsuo
Laboratory Of Plant Pathology And Entomology Faculty Of Agriculture Kagoshima University
関連論文
- 鹿児島県育成キク品種'きゅらキッズ'のマメハモグリバエに対する抵抗性
- 鹿児島県薩摩半島南部の野菜・花卉栽培温室内外におけるマメハモグリバエおよびトマトハモグリバエの種構成と寄主植物
- チャドクガに対する浸透移行性殺虫剤の株下散布および土壌施用の効果
- 20年以上水中保存した7種核多角体病ウイルスのハスモンヨトウSpodoptera litura幼虫に対する病原性
- トマトサビダニ寄生数の簡易調査法
- 天敵昆虫アカメガシワクダアザミウマHaplothrips brevitubus (Karny) の捕食レパートリーおよび鹿児島大学農学部学内圃場における季節消長
- ミツユビナミハダニTetranychus takafujii Ehara & Ohashiの殺ダニ剤および殺虫剤感受性
- 日本においてタケ・ササ類タケノコを加害する鱗翅類
- D107 マメノメイガを大量増殖するための成虫性比について(飼育法・栄養学)
- 性フェロモントラップによるハスモンヨトウ雄成虫の捕獲に対する風速の影響
- 人工飼料によるナカジロシタバの飼育
- 人工飼料を用いたコブノメイガの大量飼育体系の開発
- 人工飼料によるコブノメイガの飼育
- ダイジョ(Dioscorea alata L.)塊茎の肥大生長の転換と内生ジャスモン酸含量の推移との関係
- ダイジョ(Dioscorea alataL.)塊茎の肥大生長の転換と内生植物ホルモンとの関係
- マメハモグリバエとトマトハモグリバエの産卵および発育に対する3種寄主植物の適合性
- 鹿児島県において野菜・花卉類を加害するナスハモグリバエ,マメハモグリバエおよびトマトハモグリバエの種構成
- ヒゲナガヤチバエの生活史
- 425 桜島火山降灰地帯のカンキツ園における昆虫相
- C44 鹿児島県馬毛島で大発生したトノサマバッタの疫病による終息(生態学)
- Prevalence of latent virus in Spodoptera litura (Fabricius) (Lepidoptera: Noctuidae) and its activation by a heterologous virus
- 蛹を用いたハスモンヨトウ核多角体病ウイルスの大量増殖
- マメノメイガ細胞質多角体病ウイルスのマメノメイガに対する病原性
- マメノメイガ(Maruca vitrata)の発育に関する温度反応(鱗翅目,ツトガ科)
- 南九州のチャ園から採取したウスコカクモンハマキAdoxophyes dubiaおよびチャノコカクモンハマキAdoxophyes honmaiのコカクモンハマキ顆粒病ウイルス感受性
- マメノメイガの産卵と成虫の寿命におよぼす温度の影響
- マメノメイガの簡易人工飼料とその人工飼料飼育下における増殖効率
- H227 人工飼料によるマメノメイガの飼育(生理活性物質 飼育法 栄養学)
- トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)の発育零点と有効積算温度
- 鹿児島におけるケナフの害虫相とその主要種の発生消長
- スイゼンジナを加害する害虫の生態学的研究 3. 鹿児島県内における害虫相と主要種の発生および被害の消長(II)
- 久万田敏夫博士米国鱗翅学会カール・ジョーダン・メダル賞を受賞
- 大学研究室紹介--キャンパスだより(10)鹿児島大学農学部害虫学研究室
- 食餌の異なるハスモンヨトウSpodoptera litura (Fabricius)の発育と繁殖特性
- Comparison of the reproductive potential of three Orius species, O. strigicollis, O. sauteri, and O. minutus (Heteroptera: Anthocoridae), using eggs of the Mediterranean flour moth as a food source
- スイゼンジナを加害する害虫の生態学的研究 : 2.鹿児島県内における害虫相と主要種の発生および被害の消長(I)
- スイゼンジナを加害する害虫の生態学的研究 : I.鹿児島市におけるスイゼンジナの害虫相とその主要種モンシロモドキの寄主範囲
- C213 卵寄生蜂(Trichogramma sp.)の大量放飼によるオオタバコガ防除の試み(寄生・捕食・生物的防除)
- 環境Eco選書3「絵かき虫の生物学」, 広渡俊哉編, A5判, 248頁, 北隆館, 定価3,150円(税込), ISBN978-4-8326-0723-1
- Further Studies on the Biological Activity and Identification of Nucleopolyhedrovirus Isolated from Spodoptera litura in Japan
- High Temperature as a Stressor of Spodoptera litura Latent Virus
- J105 Identification and characterization of a nucleoplyhedrovirus isolated from Mythimna separata (Lepidoptera : Noctuidae)
- チャ葉の延命処理によるチャノホソガの室内飼育法
- ウリ科うどんこ病菌及びすす病菌を与えたスワルスキーカブリダニの発育と産卵