微細藻バイオマスから凝集沈殿法によって活性汚泥をつくる試み : III.活性フロックの微細藻フロラ
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概要
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微細藻バイオマスから凝集沈殿法で形成させた活性フロックにCOD146ppmの焼酎蒸留廃液をCOD負荷量0.07kg/m^3/dayで10日間流下処理し, さらに引続いてCOD292ppmの廃液を0.15kg/m^3/dayで13日間流下, 連続処理を行なった.この間, 活性フロックの微細藻フロラについてスポット寒天法で検討した.その結果, 活性フロックの微細藻フロラの優先種は連続処理期間を通じてChlorella vulgarisであった.また, 活性フロックの細菌相が充実することにより活性フロックの活性汚泥化が進行することが明らかとなった.微細藻は, 稀釈培養法, 0.02M Tris-EDTA-0.5% sodium lauryl sulfate溶液による洗浄と孔径3μmのメンブランフィルター濾過, 寒天培地上にメンブランフィルターを置き培養, 無機平板培地上の画線などを組合せて純粋分離を行なった.純粋分離した微細藻株はいずれもChlorella vulgarisで細胞形態は径5.0-6.0μmの球形, autosporesは径2.6-2.8μmの多少偏平な球形であった.また, グルコース培地では培養が古くなると褪色して白くなる.生育の上限温度は40℃で至適生育温度は36℃であった.糖類の資化性については, グルコース, ガラクトース, フルクトース, 酢酸ナトリウムをよく資化した.また, D-リボース, サッカロースおよびソルビトールでは生育は認められなかった.基質呼吸については資化性と同じで, グルコース, ガラクトース, フルクトース, 酢酸ナトリウムが良好な呼吸基質であったのに対し, D-リボース, サッカロース, ソルビトールは全く利用できなかった.
- 鹿児島大学の論文
- 1987-03-16
著者
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