海水活性汚泥中, 微生物の局在性の検討
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概要
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海水活性汚泥は多種類の微生物から成り立っているが, 通常の稀釈平板法などで明らかにした微生物相は活性汚泥の構成単位であるフロックの微生物相の平均値である.ここで個々のフロックの微生物相を明らかにするため, 重層平板・画線平板法で検討を行った.これは海水活性汚泥を400rpm(27×G)1分間の遠沈でくり返し洗浄し, フロックが0.2%寒天5mlあたり10〜20個となるように懸濁した.これを2%寒天培地上に重層して培養すると各フロックからmixed colonyが生じるので, さらに新しい2%寒天培地上に画線して培養し, 生じた単一種によるコロニーを分離, 各フロックの微生物相を分析した.以上の結果, (1)個々のフロックの微生物相が明らかになり, 各フロックには共通の構成微生物相flavobacteria-pseudomonadsが確かめられたし, 各フロックは互に定性的に似た微生物相をもつことも明らかに出来た.(2)しかも, 並行して行った通常の稀釈平板法による微生物相とも質的には同一であると判断出来た.対照として行った水道水活性汚泥についても同じ結果が得られた.結論として, 活性汚泥の微生物の分布には偏り, すなわち, 微生物の局在性は認められなかった.
- 鹿児島大学の論文
- 1982-03-19
著者
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