海水活性汚泥の微生物相, とくにフロックの構造性について
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概要
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海水活性汚泥は0.1〜0.2mmの微生物塊であるフロックの集合体であるが, フロックは顕微鏡観察でさらにグラム染色性の異るいくつかのミクロコロニーから出来上っていることが確かめられた.このフロックの微生物学的な構造性を検討するため海水活性汚泥全体を代酸素分圧下において微生物相を調べた.すなわち, フロックを構成する微生物は多くは好気性であることを考慮に入れるとフロックの表層部と内部とでは酸素分圧に差が生じているものと推定出来るので, 海水活性汚泥全体を低酸素分圧下におくと耐低酸素分圧性のフロック内部の微生物にフロック全体が被われることになろう.低酸素分圧下におき, COD負荷量0.03kg/m^3/dayで半連続処理をした場合の海水活性汚泥の微生物相を通常の好気処理中の海水活性汚泥と比較すると通気条件に感受性の高いflavobacteriaが消滅し, pink coryne-form bacteriaが増加し, 微生物相はpink coryne-form bacteria-pseudomonads型に移行する.このことからフロックの微生物学的構造は表層部はflavobacteria-pseudomonads型であるのに対し, 内部はpink coryne-form bacteria-pseudomonads型であるものと思われる.対照として検討した水道水活性汚泥でも海水活性汚泥とほぼ同じ結果であった.
- 鹿児島大学の論文
- 1982-03-19
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