活性汚泥法処理水およびメタン発酵脱離液中のビタミンB_<12>の定量について
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概要
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近年, 我国各地の内海水面で環境汚染が原因で赤潮が多発している.赤潮の発生要因は複雑であるが, 赤潮鞭毛藻はほとんどが必ずといってよいくらい生育にビタミンB_<12>を要求する.また, 下水処理, 汚泥処理にともなって排出する処理水, 脱離液中には細菌の生産するビタミンB_<12>が存在すると思われるので, これらのビタミンB_<12>レベルを正確に把握して対応策を考えなくてはならない.ビタミンB_<12>の定量は乳酸菌Lactobacillus leichmannii IFO 3376およびL.lactis IAM 1173を使用してバイオアッセイした.活性汚泥法で流入水および処理水中のビタミンB_<12>レベルはそれぞれL.leichmanniiでは0.04〜0.17ng/ml, 0.02〜0.06ng/ml, L.lactisでは0.12〜0.34ng/ml, 0.07〜0.15ng/mlであった.いずれの数値をとっても流入水中のビタミンB_<12>が活性汚泥法による処理を経て約50%除去されていることが確かめられた.一方, メタン発酵脱離液のビタミンB_<12>値は高くL.leichmanniiで2.43ng/ml, L.lactisで1.84〜4.43ng/mlを示し, 対照として行った旧式焼酎蒸溜廃液ではそれぞれ10ng/ml, 14ng/mlであった.ところが, この蒸溜廃液を水道水活性汚泥で半連続処理すると処理水のビタミンB_<12>値は流入水よりもかえって高い値を示し, 負荷が断続するような処理はビタミンB_<12>除去という点で好ましくないことがわかった.
- 1982-03-19
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