旧式焼酎の高酸度醪のモデル実験について
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概要
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旧式焼酎醸造過程, とくに米麹生白糠仕込焼酎の醪で出現する高酸度醪の発生機構を解明するため, 各種焼酎醪から分離した乳酸菌について焼酎こうぼとの混合培養および焼酎醸造のモデル実験を行った.1.全麹仕込で焼酎こうぼと焼酎醪から分離した乳酸菌の混合培養を行ったところ, L.brevisとの混合培養でアルコール生成が減少し, 揮発性酸生成の高いものが多く認められた.2.乳酸菌と焼酎こうぼの混合培養を接種菌数比および培養温度について高酸度醪化への傾向および条件を検討した.これによるとL.sake, F-a-1での実験では品温が37℃までで高ければ高いほど高酸度化の危険が高いことが明らかとなった.また, L.brevisの場合でも高酸度醪とはならなかったが揮発性酸の生成量が多く, 高揮発性酸型の高酸度醪の発生原因となるものと判断できた.3.モデル実験は通常の焼酎醸造の1500分の1のサイズで, 設定した温度条件のもとで行った.L.sake, F-a-1の場合, 通常の醪の管理温度である32℃培養でも醪に乳酸菌が接種されるなら, 醪酸度が多量の乳酸の生成にともなって異常に高くなり高乳酸型の高酸度醪になることがあるのが明らかになった.一方, L.brevis, G-3e-2接種のモデル実験では揮発性酸の生成が著しく, 醪酸度も高いし, アルコール量は対照の半分である.これは混合培養での結果と同じで, このような高揮発性酸型の高酸度醪が通常の管理温度でもおこりうることが示された.
- 1986-03-15
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