旧式焼酎醸造過程におけるジアセチルの生成について
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概要
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旧式焼酎醸造は酒母・醪の温度管理, 白麹菌の使用による多量のクエン酸の生成と低pH, 乳酸菌の汚染および醪の蒸溜など, ジアセチル生成の条件がそろっている.このため, 製品焼酎, 酒母・醪のジアセチルレベルを明らかにし, 醸造の微生物管理に寄与することを目的として研究を行った.アルコール存在下でのジアセチル定量は, アルコールが15%以下ならば, 炭酸ガス気流下の水蒸気蒸溜によるジアセチルの回収率は90%以上であった.このようにして定量した製品焼酎および酒母・醪中のジアセチルはそれぞれ0.3〜1.3,0.2〜0.3mg/lであった.酒母・醪中の微生物は酵母と乳酸菌にしぼられるが, 乳酸菌はLactobacillus sake, L.acidophilusなどホモ発酵型のものがかなりのジアセチル生成量を示している.しかし, 生成量は少いが, 生菌数が圧倒的に多い酵母に注意が必要である.ただ, 製品焼酎のジアセチルレベルでは, 甘藷焼酎の場合, 問題にならないものと思われる.
- 鹿児島大学の論文
- 1981-03-19
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