緑膿菌自家融解ワクチンの感染防禦効果について
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概要
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緑膿菌感染に対する緑膿菌自家融解ワクチン(MMAF)の防禦能について, 抵抗性の発現時間, インターフェロン誘導能, ワクチンの投与法による影響, 有効分画, 熱処理, 酵素処理の影響などについて詳細な実験を行い, 以下のような結果を得た.すなわち, MMAFはマウスによる感染防禦試験により, 極めて強い防禦能をもち, しかも微量で有効であることが確認された.MMAFはマウス投与後4日目に最大の抵抗性を附与し, 2日目においてもかなりの抵抗性を誘導する.この早期の防禦能の発現に関しては, インターフェロンの役割は否定的であった.また, MMAFは経口投与によってもマウスに抵抗性を与えることが明らかにされた.MMAFの限外濾過による各分画を用いた感染防禦試験では, 分子量500ダルトン以下の分画にも抵抗性附与能があることが示された.MMAFは熱処理(65℃30分), トリプシン, RDase, DNaseなどの酵素処理によっても何ら影響されないことが明らかにされた.以上の多くの結果から, MMAFの強い抵抗性附与能には, 細菌体由来の抗原や毒素などのほかに, 非特異性細胞因子などによる抵抗性の増強も関与していることが強く示唆された.
- 鹿児島大学の論文
- 1985-03-15
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