ステレオ信号の受聴位置拡大における簡易マイク設置方式

概要

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臨場感や明瞭性の向上を狙った通信のステレオ化が進められている.ステレオ信号を適正な定位で聴取するためには,一般に左右のスピーカから等距離の位置で聴取する必要がある.しかし,TV会議において聴取者がこのような理想的な場所に居るとは限らない.例えば,左右の端に位置する聴取者は,先行音効果により,常に自分の目の前のスピーカから音が聞こえるため,画面に映る話者の方向と音の聞こえる方向が一致しないという問題が生じる.また,一般ユーザがステレオマイクロホンを用いる際に,マイクロホンを必ずしも参加者に対して左右対称に配置できるとは限らず,マイクロホンが対称配置された場合とされなかった場合で定位が異なるという問題が生じる.本稿では,特に大画面を用いたTV会議において,聴取者の位置に寄らず画面に映る話者の方向と音の聞こえる方向を一致させることを目的に,ステレオ入力信号をM領域(M=3〜5)からの信号に分離することにより受聴領域を拡大する再生方式及び,ステレオマイクロホンが発言者に対して左右対称に配置されない場合にも,左右対称に配置された時と同等の定位を実現するマイク設置方式を提案する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-10-19