4.うま味は生体恒常性維持の担い手 : 味覚・内臓感覚・食欲・体重調節(<総説特集>おいしさのシグナルと肥満(ダイエット)の科学)

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概要

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L-グルタミン酸は、体蛋白質を構成する20種類のアミノ酸の中で、最も多く含まれている。L-グルタミン酸のナトリウム塩(L-グルタミン酸ナトリウム、MSG)は代表的うま味物質であり、適量を使用すると料理が著しく美味しくなることから、うま味調味料として世界中で使用されている。蛋白質を含む食物は動植物の組織であり、遊離のアミノ酸(とくにL-グルタミン酸)や核酸関連物質(イノシン酸、グアニル酸など)を多く含み、両者の間には、強いうま味の相乗効果が生じる。蛋白質は体の成長や維持に必須であるため、摂取した食物中に蛋白質が存在するシグナル(マーカー)としてうま味を検出することは理にかなっている。最近の研究により、うま味物質は食事を美味しくするだけでなく、摂取後に消化管局所における代謝促進効果や神経性情報による脳を介した末梢制御機構によってエネルギー消費を促進し、肥満形成および体脂肪蓄積を抑制することが明らかになってきた。本稿では、うま味の有用性に関する最新の知見を解説する。

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