簡易乳酸飲料製造時のミルクカゼインの安定性について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
発酵法によらない簡易乳酸飲料製造においては,牛乳と酸との混合という操作があるためにおうおうにして牛乳中のカゼインか等電点附近で電荷を失って凝析してきて失敗する場合がある。本実験では種々の製造条件下におけるミルクカゼインの安定性を検討し,合理的な製造条件を見出そうとしたものである。実験結果を綜合して考察を加えたものを要約すると次のごとくである。1.牛乳中のカゼインの安定性に対しては溶存する高濃度の糖は保護作用を有するので,酸添加に先立って糖を加える必要がある。その際の有効糖濃度の限界は常温で約45%である。2.加糖した牛乳に酸を添加する際の温度がカゼインの安定性に大きく影響する。すなわち低温下ではカゼインは比較的安定で凝析は起りにくいが高温になるにしたがって不安定となる。3.牛乳に酸が添加されてPHが変動する際なるべく速やかにカゼインの等電点を通過させることが肝要で,そのためには酸液中に加糖乳を少量ずつ攪拌しながら添加する混合法を採用すべきである。4.安定剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステルの効果はかなり期待できるが,この安定剤の添加は製品の風味を損うおそれがあるので,その使用については慎重を要する。
- 島根県立大学短期大学部の論文
- 1972-03-28
著者
関連論文
- 島根の雑煮の分布と変遷(3)
- 島根の雑煮の分布と変遷(2)
- 島根の雑煮の分布と変遷(1)
- 米飯の食味の評定法に関する研究(III) : 作成年度と異なる年度への評定式の適用ほか
- 米飯の食味の評定法に関する研究(II) : 昭和58年島根県産米の理化学的特性による評定式の作成
- ブドウの脱粒防止法への知見
- 貯蔵澱粉の形態学的研究I : まめ科植物
- 米飯の食味の評定法に関する研究(1) : 昭和58年島根県産米の官能検査
- イネの茎内の稚葉・幼穂に含まれる遊離アミノ酸について : イネカラバエに対するイネ品種の抵抗性との関連において
- 「諸被仰出并御儀定物書抜」解読(五)
- 「諸被仰出并御儀定物書抜」解読(四)
- 「諸被仰出并御儀定物書抜」解読(三)
- 「諸被仰出并御儀定物書抜」解読(二)
- 「諸被仰出井御儀定物書抜」解読(一)
- 電子レンジによるじゃがいもの調理性と食味について
- 宍道湖七珍
- 不昧の茶会の会席献立
- 松平不昧の茶会の料理(I) : 食品材料
- 野菜類の消費内容の調査(III)
- 殺菌灯照射による脂質の酸化について
- 野菜類の消費内容の調査(II)
- 野菜類の消費内容の調査(I-2)
- 簡易乳酸飲料製造時のミルクカゼインの安定性について
- 野菜類の消費内容の調査(I)
- 野菜類のビタミンC供給量
- スィート・コーンの胚,胚乳の糖及びデンプン含量の収穫後における変化
- 県内産トマトのビタミンC含量について
- ブドウ(デラウェア種)果粒成熟期における無機栄養素の果粒内組織への分布状況について
- ブドウ(デラウェア種)の成熟期における果皮,果肉および種子中の含チッ素物質の消長について
- 野菜類のビタミンB群供給量
- 野菜類のビタミンA供給量
- 野菜類のナトリウム・リンおよび鉄供給量
- 野菜類のカルシウム供給量
- ナツダイダイ果実の苦味に関する研究