象皮病患者には何故血中に仔虫が検出されないか
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
パンクロフト糸状虫やマレー糸状虫感染者は治療を受けなければ,長年末梢血中にミクロフィラリアが検出される。流行地で住民の血液検査を行なうと,50才以上の人々のミクロフィラリア陽性率は高い。しかし大人になると慢性症状,上下肢の象皮病を呈す患者の数も増す。象皮病患者は,興味あることに,末梢血中にはミクロフィラリアが検出されることはほとんどない。象皮病の発症機序を説明する2つの有力な説として,死滅糸状虫成虫によるリンパの流れの障害と細菌感染が古くからあげられていた。近年ブラジルで,患部を清潔にすると象皮病が予防できることが発表されて以来,細菌感染による象皮病の発症機序が論じられはじめた。我々は細菌感染が糸状虫成虫またはミクロフィラリアに何らかの作用を及ぼし,成虫が死滅し,リンパの流れの障害を原因するとの仮説のもと,糸状虫と細菌感染の相互作用を追及することにした。
- 長崎大学の論文
著者
-
青木 克己
長崎大・熱研・寄生行動制御
-
青木 克己
長崎大学熱帯医学研究所
-
木村 英作
愛知医科大学
-
辻 尚利
動物衛生研究所
-
辻 尚利
農業技術研究機構動物衛生研究所
-
青木 克己
長崎大学熱帯医学研究所寄生行動制御
-
太田 房雄
徳島大学医学部
-
野田 伸二
鹿児島大学多島研究所
-
青木 克己
長崎大学熱帯医学研究所 寄生行動制御部門
-
青木 克己
熱帯医学研究所
関連論文
- 内臓リーシュマニア症の尿診断法の開発
- 住血吸虫症流行地に生息する淡水産貝類のミラシジウムの誘引力(Decoy effect)
- P116 住血吸虫セルカリア : 脂肪酸刺激による preacetabular gland の Ca 濃度上昇
- ビルハルツ住血吸虫症の対策法の検討 : 集団治療,安全水供与,中間宿主対策,衛生教育の効果判定
- ビルハルツ住血吸虫症の対策法の検討
- 熱帯感染症に対する宿主感受性を決定する遺伝子多型の解析
- 共同研究 23 熱帯病に対するヒト感受性抵抗性遺伝子解析
- フタトゲチマダニの吸血に対するスカベンジャーレセプターノックアウト(SRKO)マウスの免疫応答と抵抗性獲得
- ミニブタを用いたヒト住血吸虫症モデルの確立と応用
- 熱帯感染症に対する宿主感受性を決定する遺伝子多型の解析
- 日本におけるBabesia caballi およびBabesia equi感染馬の血清学的疫学調査
- 象皮病患者には何故血中に仔虫が検出されないか
- 現代寄生虫病事情(3)住血吸虫症--貝の脅威
- 住血吸虫症 (10月第1土曜特集 地球規模での寄生虫病対策の時代) -- (おもな寄生虫病とその対策)
- 開発途上国における住血吸虫症の現状と対策
- 海外での感染症対策を経験して
- P117 住血吸虫ミラシジウムの中間宿主貝への chemoklinokinesis
- Production of Recombinant Kinesin-Related Protein of Leishmania donovani and its Application in the Urine-Based ELISA for the Diagnosis of Visceral Leishmaniasis
- 豚回虫から分離したI型無機ピロホスファターゼの温度及び金属イオン依存性活性(短報)(寄生虫病学)
- ジエチルカルバマジン(DEC)によるフィラリア症治療時に見られる発熱の疾患モデルとしてのスナネズミー Brugia pahangi モデルの開発
- P127 核磁気共鳴画像装置を用いた、ネズミ糞線虫感染マウス頭蓋内病変の経時的観察
- 分子寄生虫学入門--分子的アプローチが紐解く生命現象(第1回)対談:生命科学としての寄生虫学
- ビルハルツ住血吸虫症の対策法の検討 : 集団治療,安全水供与,中間宿主対策,衛生教育の効果判定
- B07 1999年から2004年までに愛知医科大学で同定されたマダニ刺咬症
- リンパ系フィラリア症の低感染地における、尿ELISAによる集団治療効果のモニタリング
- 恙虫病媒介ツツガムシ 3 種, Leptotrombidium akamushi, L. deliense, L. fletcheri の交配実験
- フクロシマリスから得られた内部寄生ダニの 2 新種
- 53 フクロシマリスから得られた内部寄生ダニの 2 新種
- 口腔微生物の生態学的研究 : 4 薄層寒天培養における微生物のグラム染色法
- 口腔微生物の生態学的研究 : 3. 定量的簡易グラム染色法
- 共同研究 7 開発途上国における土壌伝播寄生虫の伝播疫学
- 開発途上国における土壌伝播寄生虫の伝播疫学
- 熱帯地域で使用される伝統薬の抗糸状虫作用
- 熱帯地域で使用される伝統薬の抗糸状虫作用
- Brugia pahangiの酵素組織化学-2-蚊(Aedes aegypti)内発育幼虫におけるアセチルコリンエステラ-ゼ活性の局在〔英文〕
- 開発途上国における土壌伝播寄生虫の伝播疫学
- Brugia pahangiのマウスへの感染実験
- 開発途上国における寄生虫病の対策研究の動向 (特集 感染・免疫研究)
- 再興感染症としての高病原性鳥インフルエンザについて
- ベトナムハノイ近郊における土壌媒介寄生虫の伝播疫学研究 : 野菜および手指爪垢の寄生虫卵による汚染状況
- 共同研究 8 ビルハルツ住血吸虫症の病態像:これまで注目されなかった病変
- ビルハルツ住血吸虫症の病態像:これまで注目されなかった病変
- ビルハイツ住血吸虫症の病態像:これまで注目されなかった病変
- ビルハルツ住血吸虫症の病態像:これまで注目されなかった病変
- P118 酵素による糸状虫感染型幼虫の宿主血清への走化性抑制
- ビルハルツ住血吸虫の病態像:これまで注目されなかった病変
- ビルハルツ住血吸虫症の病態像:これまで注目されなかった病変
- ラットにおける血漿中ジエチルカルバマジン (DEC) のBrugia pahangiミクロフィラリア血症に及ぼす影響 (短報)
- 熱帯地域で使用される伝統薬の抗糸状虫作用
- ビルハルツ住血吸虫症の対策法の検討:これまで注目されなかった病変
- 熱帯地域で使用される伝統薬の抗糸状虫作用
- 熱帯地域で使用される伝統薬の抗糸状虫ー抗住血吸虫作用
- バンクロフト糸状虫症に対するより効果的なジエチルカルバマジンと重曹の併用療法
- Cercariometry for detection of transmission sites for schistosomiasis
- バンクロフト糸状虫検査時に偶然血液中に見つかったビルハルツ住血吸虫卵
- ケニアの呪術医と西洋の伝承民間療法師に関する史的考察
- 犬糸状虫仔虫の走査電子顕微鏡的観察
- フィラリア仔虫の脱鞘現象について(II)
- フィラリア仔虫の脱鞘現象について(I)
- ミクフロィラリア末梢血内出現の季節的消長に関する研究 : 特に環境温度の仔虫出現に及ぼす影響
- 6章 蠕虫疾患 : 住血吸虫症,糸状虫症,肝吸虫症(II部 アジア医療事情 : 東南アジアを中心に)
- 知っておきたい熱帯病の知識-1-寄生虫感染症
- アフリカにおけるメジナ虫症について
- 最近における動物衛生研究情報(VIII) : マダニの吸血調節物質
- Streptococcus mutansによる実験腎炎