共同研究 7 開発途上国における土壌伝播寄生虫の伝播疫学
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概要
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かい虫,鉤虫,鞭虫などに代表される土壌媒介寄生虫病は,いわゆる開発途上国で広く蔓延している寄生虫病である。1997年のWHOの統計によると感染者は35億人,感染の危険に曝されている者は40億人にのぼる。また全世界の児童の40%(4億人)が上記寄生虫に感染しているが,一般的には対策が遅れ「軽視された寄生虫」とまで言われている。しかし,近年感染者には発育障害,栄養不良,学業低下が見られることが明らかとなり,その対策に対する認識が世界的に深まってきている。これら土壌媒介寄生虫の感染サイクルが成立するには3つの段階,虫卵による環境汚染,虫卵の発育,ヒトへの感染が存在する。したがって,効果的対策を実施するためには,流行地において1)どのように環境が虫卵で汚染され, 2)どの程度環境が虫卵で汚染されているか, 3)どのように虫卵がヒトの口へ運ばれるかという伝播疫学を解明する必要がある。ベトナムでこのような伝播疫学に関する要因の調査を開始し,これまでに土壌,埃,野菜,手指爪の回虫卵・鞭虫卵による汚染調査結果を報告した。今年度は水および大気における虫卵汚染調査を実施したので,その結果を報告する。
- 長崎大学の論文
著者
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青木 克己
長崎大・熱研・寄生行動制御
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青木 克己
長崎大学熱帯医学研究所
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木村 英作
愛知医科大学
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宇賀 昭二
神戸大学医学部医動物学
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宇賀 昭二
神戸大学医学部
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宇賀 昭二
Department Of Medical Technology Faculty Of Health Science Kobe University School Of Medicine
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青木 克己
長崎大学熱帯医学研究所寄生行動制御
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宇賀 昭二
神戸大学 医学部 保健学科 病態解析学教室
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太田 房雄
徳島大学医学部
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青木 克己
長崎大学熱帯医学研究所 寄生行動制御部門
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青木 克己
熱帯医学研究所
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宇賀 昭二[他]
神戸大学医学部
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