醤油中のアミノ酸に関する研究 : (第3報)加温速醸諸味における主要アミノ酸の消長
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概要
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諸味温度を30℃に保つ型式の加温速醸で,アルギニン,グルタミン酸,グリシン,イソロイシン,ロイシン,リジン,メチオニン,フエニルアラニン,パリンの消長を検討した。これらアミノ酸の諸味中での変化は大体3期に分けて考えられる。第1期は仕込直後の3日間で水溶性遊離アミノ酸の増加は極めて著しく,この間に諸味の各遊離アミノ酸量はそれぞれのアミノ酸の全量の1/3程度になる。第2期は仕込後3日乃至30日でこの期間は遊離アミノ酸はなお増加するがそれ以前に比べて増加量は低減は低減する。各アミノ酸の遊離態は諸味中に存在するそれぞれの全アミノ酸の60%程度となる。第3期は仕込後30日以後で諸味中の各遊離アミノ酸は極めて僅少となる。ただしアルギニン,グルタミン酸は例外で,アルギニンは諸味熟成中に減少し,遊離グルタミン酸の増加は他のアミノ酸に比べて著しく低いものであった。終りに臨み本研究の御指導を賜った寺本四郎教授に深甚の謝意を表します。また発表を許可された龍野醤油KK浅井常務に深謝致します。本研究は昭和37年大阪醸造学会において発表した。
- 大阪夕陽丘学園短期大学の論文
- 1963-07-01
著者
-
難波 敦子
大阪女子学園短期大学
-
石川 浩
Tatsuno Shyoyu Co. Ltd.
-
藤原 耕三
大阪女子学園短期大学
-
藤原 耕三
Dept. Ferment. Techn., Facult. Engin., Osaka Univ.
-
難波 敦子
Osaka Joshigakuen Junior College
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