醤油中のアミノ酸に関する研究 : (第1報)各種醤油のアミノ酸含量について
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概要
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醸造醤油,アミノ酸液,2号アミノ酸液,市販醤油等各種醤油中の主要アミノ酸10種の定量をバイオアッセイにより行なった。各種醤油中のアミノ酸の絶対量は相当異るが,全窒素1%の醤油に換算した場合はそれぞれの醤油について比較的近似した値を示した。ただ種々のアミノ酸液,したがって市販醤油では必ずしも近似した値を示すとは限らなかったが一応次の結果を得た。以下醤油の全窒素を1%に換算した場合醸造醤油中のアルギニン量は0.7mg/mlであり,アミノ酸液中では3mg/mlであった。生揚醤油中の遊離グルタミン酸は7.5〜8mg/mlであり,速醸生揚では約6.5mg/ml,溜生揚では4.7mg/mlであった。アミノ酸液中のグルタミン酸量は8.5mg/ml以上であったが2号アミノ酸液では5mg/ml程度であった。グリシンは生揚醤油では2.5mg/ml溜生では2mg/mlアミノ酸液では約3.5mg/mlであった。イソロイシンは醸造醤油では2.5mg/ml前後であり,アミノ酸液でも同程度であったが2号アミノ酸液では若干多かった。ロイシン含量は醸造醤油では3.5〜4.0mg/mlであり2号アミノ酸液では若干少なく,アミノ酸液では4.5mg/ml以上であった。リジン含量は醸造醤油では約3mg/mlでアミノ酸液ではそれより多量であり2号アミノ酸液では更に多量であった。各種醤油のメチオニン含量は0.5〜0.8mg/mlであり,フェニルアラニン含量は各醤油共2.5〜4mg/mlであった。醸造醤油中のスレオニン量は2.0〜2.5mg/mlであり,アミノ酸液中では2.5mg/ml以上であった。パリン含量は醸造醤油では2.7〜3.0mg/mlであり,アミノ酸液では3.5mg/ml以上であった。終りに臨み本研究の御指導を賜わった,寺本四郎教授に深甚の謝意を表します。また,試料を提供して頂いた龍野醤油KK,丸金醤油KK,浜中醤油KK,日出醤油KKに深謝致します。
- 大阪夕陽丘学園短期大学の論文
- 1963-07-01
著者
-
藤原 耕三
Dept. Ferment. Techn., Facult. Engin., Osaka Univ.
-
田中 恵隆
大阪大学工学部醗酵工学教室
-
田中 恵隆
Dept. Ferment. Techn., Facult. Engine., Osaka Univ.
-
藤田 栄子
Osaka Joshigakuen Junior College
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