電子レンジによる加熱の微生物に及ぼす影響について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
電子レンジによる加熱が微生物に及ぼす影響を知る目的で,E.coli, B.subtilis, B.natto及びパンから分離した微の1種を対象として検討した。得られた結果は次の通りである。1. E.coliの生理食塩水懸濁液を試験管に10ml注入し電子レンジによる加熱の影響を検討した結果では最初1.2×10^6/ml含まれた菌体が加熱30秒で7.0×10^3/mlに減少し,加熱60秒で殆ど死滅した。一方同一試料を沸騰水中で加熱した場合,最初6.0×10^5/ml含まれた菌体が2分間の加熱の後,5.0×10ml生存し,電子レンジによる加熱の方が大きい影響をE.coliに与えた。2. B.subtilisの生理食塩水懸濁液を電子レンジで加熱した結果でも沸騰水中での加熱に較べ速かに死滅した。特に胞子に対しても栄養細胞に対すると同様の影響が認められこの事から電子レンジによる加熱が新しい殺菌法として利用され得ることが示唆された。3. B.nattoの生理食塩水懸濁液を電子レンジで加熱した場合も,最初1.4×10^8ml含まれていた菌体が加熱2分で1.0×10^3mlに減少し,加熱5分で1.0×10/mlとなり,対照として行った沸騰水中での加熱では同一菌濃度の試料で5分間加熱して2.0×10^4/mlであつたことに比較して速かに死滅した。4. 水分約30%を含む菓子パンの防黴に電子レンジによる加熱を利用することを検討した結果では60秒の加熱でその効果が認められた。
- 大阪夕陽丘学園短期大学の論文
- 1966-07-01
著者
関連論文
- 醤油中のアミノ酸に関する研究 : (第3報)加温速醸諸味における主要アミノ酸の消長
- 醤油中のアミノ酸に関する研究 : (第3報)加温速醸諸味における主要アミノ酸の消長
- 23.醤油中のアミノ酸に関する研究 : (第4報)加温速醸諸味に於ける各種アミノ酸の消長
- 漬物の有機酸に関する研究 : 第1報 : 各種漬物の有機酸組成について
- 電子レンジによる加熱の微生物に及ぼす影響について
- めん類のだしの組成に関する研究 : 第2報 そばつけ汁の組成について
- めん類のだしの組成に関する研究 : 第1報 うどんのかけ汁の組成について
- 醤油中のアミノ酸に関する研究 : (第2報)天然醸造諸味における主要アミノ酸の消長
- 醤油中のアミノ酸に関する研究 : (第2報) 天然醸造諸味における主要アミノ酸の消長
- 市販調味液の化学組成について
- 二,三煮出し汁のアミノ酸組成に関する研究 : グリシン,メチオニン,フェニールアラニン,バリンについて
- 58. 醤油中のアミノ酸に関する研究(第3報) : 秋仕込諸味に於ける各種アミノ酸の消長(大阪醸造学会第12回講演会研究発表要旨)
- 二,三煮出し汁のアミノ酸組成に関する研究 : グルタミン酸,リジン,ロイシン,イソロイシンについて
- 煮干煮出し汁に関する研究 : 煮干煮出し汁に於けるグルタミン酸,リジンの浸出について
- 煮干に関する研究 : 第一報煮干の煮出し汁について
- エリスリトールの甘味質と調理への利用
- 調理科学について
- 有名店のめん類のだしの組成について
- Changes of Properties of Cooked Egg-white by Freezing