煮干煮出し汁に関する研究 : <第2報>煮干煮出し汁に於けるグルタミン酸,リジンの浸出について

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煮干の煮出し汁に於けるグルタミン酸及びリジンの浸出過程を検討した。得られた結果は次の通りである。1.煮干をそのまま,或は粉末にして煮出した場合煮沸時間10分程度では煮出す時間の延長に伴って煮出し汁中のグルタミン酸,リジン量は増加するが最初の1分間の浸出量は特に多量であった。2.煮出す方法を一定にした場合,浸出されるグルタミン酸,リジンの絶対量は煮沸時間の延長に伴って増加するが,煮出し汁の全窒素を一定に換算した場合の両アミノ酸量はそれぞれほぼ一定である。煮干をそのまま煮出した場合,浸出時間に拘らずその煮出し汁中のグルタミン酸窒素は全窒素の0.8〜0.9%となり,アミノ態窒素の5%前後を示した。又リジン窒素の全窒素,アミノ態窒素に対する比率ぱそれぞれ2%,11〜13%であった。3.煮干を粉末にして煮出した場合はそのまま煮出すよりもアミノ酸の浸出が速かになるが,同時にアミノ酸組成もそのまま煮出した場合とは異り,煮干を粉末にして煮出した場合はグルタミン酸窒素の全窒素,アミノ酸窒素に対する比率は0.75%前後及び4.6〜5.4%となりリジン窒素のそれは2.0〜2.3%及び14%程度を示した。4.煮干の使用量を水道水1l当り10〜40gに変化させても2,3,に述べた傾向は同様に認められた。
1962-07-01

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