シーカヤックのレーダ有効反射面積
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概要
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海洋レジャーの1つであるシーカヤックはその行動範囲も広く,ツーリング時,他船との衝突ならびに遭難の危険に常に曝されている。そこで海上での事故に対する安全・救助対策に舶用レーダを有効に利用するため,シーカヤック1人艇,2人艇のレーダ有効反射面積の測定を実施した。海上における種々の場面,すなわちシーカヤックでの通常のツーリング時,遭難,転覆時などを想定して測定を実施した。その結果,それらを総合して有効反射面積は,2人艇0.725m^2〜0.011m^2,1人艇0.503m^2〜0.017m^2の間にあった。また,シーカヤックはレーダアンテナに対して艇正横を向けたとき有効反射面積が最大,それより30°方向が変わると急激に減少し,それより艇首または艇尾を向ける間に最小となった。また人間が乗艇しているときと無人の場合を比較すると,同面積比は2人艇約8dB,1人艇約6dB以上を見積もる必要がある。更に,各アスペクト角に対する有効反射面積と幾何学的投影面積は大略似通ったパターンを示した。ここで得られた有効反射面積を参考に,一般通行船舶は自船に装備されたレーダ仕様等に基づき,操船する各人が最大探知距離を推定することが可能である。特に夜間や視界不良時に,舶用レーダを使用してのシーカヤックの発見ならびに衝突回避のための一助になるものと考える。またシーカヤッカーは,沿岸を航行する10トン前後以下の漁船では,極めて近距離に近づくまでレーダによってシーカヤックを探知できないことに充分注意する必要がある。最後に,この実験を行うにあたり,レーダ装置の設定,シーカヤックの運搬,操艇,アスペクト固定など,環境情報科学講座航海グループに所属する学生諸君に多大なる加勢を頂いた。ここに感謝する。
- 鹿児島大学の論文
- 2002-12-24
著者
-
日高 正康
鹿児島大学水産学部
-
松野 保久
鹿児島大学水産学部環境情報科学講座
-
藤枝 繁
鹿児島大学水産学部
-
藤枝 繁
鹿児島大 水産
-
藤枝 繁
鹿児島大学水産学部環境情報科学講座:クリーンアップかごしま事務局
-
古川 慎太郎
鹿児島大学水産学部環境情報科学講座
-
平口 幸生
鹿児島大学水産学部環境情報科学講座
-
藤 健太郎
鹿児島大学水産学部環境情報科学講座
-
松野 保久
鹿児島大学水産学部
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