薩摩半島南西海域海底表層堆積物の粒度組成と鉱物組成
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概要
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The results of study of grain-size distribution and heavy mineral compositions of bottom sediments off the Satsuma Peninsula,Kagoshima Prefecture,are summarized as follows:1. The area deeper than 500m is characterized by muddy sediments, whereas the knoll area shallower than 200m is by coarse sands composed of fragments of such organic remains, as shells, echinoderms, holothurians, dentalium and so on. 2. Heavy minerals separated from the bottom sediments are characterized byhypersthene, augite, green hornblende, brown hornblende, zircon and tourmaline in order of abundance. Among these minerals, hypersthene and augite arepredominant in the whole area, but zircon and tourmaline are very scanty in amounts and restricted to the area deeper than 500m.Hypersthene, augite and hornblende must have been derived from volcanic islands and submarine volcanism around the study area.1) 観測海域の粒度分布は,宇治海台を境にして西方の深海域(海域A)では極細粒の泥質が卓越しており,200m等深線に囲まれた浅海域(海域B)では粗粒砂が卓越している。また,海台の東方(海域C)では極細粒砂が卓越している。 2) 宇治群島周辺海域から大隅群島沖にかけての炭酸塩含有比は最大95.28%,最小8.94%で,海域別平均含有比は観測海域の西方ほど大きい値を示す。 3) 宇治海台上面の表層堆積物は,大型の貝類,サンゴ類,ウニの刺,ナマコの骨格,コケムシ,ツノガイなどの生物遺骸で構成されている。これらの堆積物は,その分布深度から判断すると,現在この海域に棲息しているものとは考えられず,約1.5万年前のウルム氷期の海進が始まり,波浪の侵食により海台上面の化石が洗い出されて再堆積したものと考えられる。 4) 観測海域の透明重鉱物組成は,含有率の多い順に紫蘇輝石,普通輝石,緑色普通角閃石,褐色普通角閃石,ジルコン,電気石である。紫蘇輝石と普通輝石は全海域で検出され,普通角閃石の検出は宇治海台北西部の深海域で顕著である。ジルコンと電気石は検出量も少ない。検出したジルコンは,白色透明の自形短柱状結晶である。宇治群島及び大隅群島は海底火山によってできた島々からなり,海底表層堆積物に含まれる重鉱物組成もそれを反映している。
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