試作横型歯ブラシの清掃効果の研究

概要

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従来の歯ブラシ(以下縦型歯ブラシ)では,舌や口蓋の清掃時に歯ブラシの毛先が粘膜に適合しないため,その清掃効果があがらないことが多い.また,横磨きになりやすく,歯頚や歯間の歯面にプラークが残存することが少なくない.そのため要介護者などのブラッシングには誘導・支援やトレーニングが必要である.本研究は,口腔清掃の介護を行う際に,使いやすくかつ清掃効率の高い歯ブラシの開発を目指し,1)歯肉,舌,口蓋面にも適合し,2)歯頚部・歯間部に毛先が入りやすく縦磨きがしやすいように,歯ブラシ頭部の植毛の列が把柄と直角の形をした歯ブラシ(以下横型歯ブラシ)を試作した.そのプラークコントロールレコード指標(PCRI),清掃効率および使用感を縦型歯ブラシと比較検討した.歯面清掃効果においては,全歯を対象とした清掃効率の平均値(n=17)は,横型歯ブラシ76.0%,縦型歯ブラシ73.0%の結果となり,t-test(P<0.05)によって両者に有意差は認められなかった.使用感の調査では,被験者17名中,舌では15名(88.2%),口蓋では8名(47.1%)が磨きやすいと感じ,歯肉では11名(64.7%)が磨きにくいと感じた.特に舌粘膜清掃では横型歯ブラシが磨きやすいと答えた者が多く,粘膜清掃をしやすいことが伺われた.今後,横型歯ブラシの改良を図り,要介護者などの口腔清掃の介護に使用する介護用品のひとつとして,粘膜,歯の清掃に効率よくかつ効果の上がる歯ブラシとして,開発が可能であるとの見通しを得た.
明倫短期大学の論文

試作横型歯ブラシの清掃効果の研究

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