新しく開発した歯冠修復用 : 3D-CAD/CAMシステムにより製作したクラウンの臨床応用

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根岸らは工業用3次元測定機と3次元設計システム及び3次元加工機を歯科用に改造し独自のシステムを開発した。また,このシステムを使って石膏模型上でチタンクラウンを製作しその成果について前々報で報告した。本研究は,本システムの臨床への有用性を検討することを目的とする。2名の患者の下顎右側第1大臼歯に本システムで製作したクラウンの修復がなされ,その結果,以下の知見が得られた。1) クラウンの設計に当たって,適切な形態を付与するためには根分岐部の形態を含めた多様な歯冠形態のデータをデータベースに登録しておく必要があった。2) 支台歯のマージンラインがナイフエッジになる場合,測定が不明瞭にならないよう歯頸部辺縁を明確に仕上げることが望まれた。3) 使用する切削工具先端のRが咬合面隅角部やシャンファ部の精度に影響するため,支台歯ではそのRと同等あるいはそれ以上に形成する必要があった。4) セメントクリアランスを本システムの測定誤差および加工精度をもとに50μmとすることによって適合性の優れたクラウンを得ることができた。5) 咬合関係はFGPテクニックを導入することによって最小限の咬合調整にとどめることができた。また,接触点はコンピュータ上で50μmの研摩代を与えることで回復できた。6) 支台歯の測定からクラウンの加工までに要する時間の短縮が今後の課題として残った。
明倫短期大学の論文

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