義歯床用樹脂と純チタン線の接合力に及ぼす吸水率の影響

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歯科用純チタン線と高分子有機材料である義歯床用樹脂(ポリカーボネート樹脂,ポリメチルメタクリレート樹脂)との接合力を評価する目的で純チタン線を樹脂の中に5〜20mmの深さに埋め込み,接合力を引き抜き強度試験を用いて評価した。接合力の測定及び接合状態の観察結果から接合力は義歯床用樹脂への埋め込み深さに比例して増加することがわかった。さらに純チタン線を規定の深さ埋め込んだ義歯床用樹脂を口腔内装着を想定した50℃加温水に2週間まで浸漬させ,一定の時間経過後の樹脂の吸水率を測定すると同時に接合力の測定を行い吸水率と接合力の関係を求めた。又,吸水後の純チタン線と樹脂の接合界面の状態をSEM観察した。その結果,ポリメチルメタクリレート樹脂の場合接合力は吸水率の増加に反比例,徐々に低下していき0.8%吸水時50%低下したのに対し,ポリカーボネート樹脂では吸水率は低値を示し,接合力も吸水前の強度を維持した。このことはSEM像観察結果からもうかがえ,純チタン線とポリメチルメタクリレート樹脂界面には空隙が観察された。以上より義歯床用樹脂と純チタン線の接合力には樹脂の吸水率が影響し,この吸水による接合界面の状態変化がSEM像としてとらえられ接合界面の減少が接合力の低下につながる知見を得た。

義歯床用樹脂と純チタン線の接合力に及ぼす吸水率の影響

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