マネキンによる顎口腔機能教育・学習システムの検討 : 第1報下顎運動機能をもつマネキンの製作

概要

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補綴修復物を製作するうえで必要不可欠な顎口腔の機能に関する基礎知識は学生にとって非常に難解で,十分理解できていないのが現状である。そこで,下顎運動を直接観察したり,体験することのできるマネキンによる教育・学習システムを考案し,マネキンの製作を試みた。製作したマネキンはフェイスボウレコードとチェックバイトレコードの実習を目的とした咬合診断用マネキンと,下顎運動の観察ならびに体験用としての下顎運動描記用マネキンの2種類である。機構は,歯科用頭部マネキンとアルコンタイプの半調節性咬合器を解剖学的基準に基づいて連結したもので,機能的にも生体とほぼ同様の動きを再現させることが可能である。今回は,これらのマネキンを使って学生に咬合診断実習を行わせた時の実習の概要ならびに下顎運動を描記させるときの手順と描記法についても記述した。これらの結果から,今回考案したマネキンによる顎口腔機能の教育・学習システムの有効性が示唆された。