シェードテイキングにおけるワックスクラウンの意義

概要

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本研究の目的は,シェードガイドによるシェードテイキングの不備をワックスクラウンの試適で補完する可能性について検討することにある。金属焼付ポーセレンクラウンのメタルフレームに,A3を基準としてマルチカラーワックスを盛り上げてワックスクラウンを作製する。同時に,他のメタルフレームに陶材を築盛,焼成してA3を基準とする金属焼付ポーセレンクラウンを作製する。この際,オペーク色,デンティン色,エナメル色,透明色の各色の層は2種類のクラウンでそれぞれが可及的に同じ厚さとなるようにする。これら2種類のクラウンについて色調を歯科用測色装置を用いて測色,分析して,以下の結論を得た。1.シェードガイドの色調とシェードガイドで指定されている陶材で築盛,焼成した金属焼付ポーセレンクラウンの色調は,色の漉さ,色相で差違を示した。2.同じ色調を基準として作製したワックスクラウンと金属焼付ポーセレンクラウンで,色調は明るさ,色相で差違を示した。3.マルチカラーワックスの明るさ,透明度を高めることによって,ワックスクラウンが金属焼付ポーセレンクラウンヘの望ましい色調の実現に役立つことが示唆された。