鋳造および機械加工法によるチタン材料の性状について

概要

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チタン材料はCAD/CAMシステムを用いた機械加工法による補綴用材料の1つとして利用されている。しかし機械加工によるチタン材料の機械的性質に関する報告は少ない。そこで本研究では従来法である鋳造法と,CAD/CAM技術による機械法で加工されたチタン材料の機械的性質と加工精度について考察をおこなった。機械的性質は,他の一般的な歯科用金属材料のJIS規格値と比較するため,ビッカース硬さ試験と引張試験をおこなった。また加工精度に関する試験では,試験片の厚みを10mmの狙い寸法で加工しその精度について評価した。さらに寸法精度に影響する表面あらさについても試験をおこなった。結果として,鋳造加工法は機械加工法に対してビッカース硬さについては4倍(554HV:151HV),引張強さでは1.5倍(637MPa:409Mpa)の数値を示した。加工精度は鋳造加工法では±80μm,機械加工法では±15μmであった。また表面あらさは表面研磨仕上げ前後のいずれの状態においても機械加工法が鋳造加工法より小さい数値を示した。結論として,1)機械的性質のJIS規格値から,機械加工法によるチタン材料はインレー,クラウンの範疇に,また鋳造加工法ではバー,クラスプの範疇に属していた。2)適合性に影響を及ぼす寸法精度は機械加工法が優れていた。3)研磨作業性についても機械加工法に優位性が認められた。

鋳造および機械加工法によるチタン材料の性状について

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