乳牛の脂肪肝および脂肪肝関連疾病とアポリポタンパク質
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概要
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乳牛のケトージス等の代謝病の大部分は周産期に発症するが,これらの代謝病および同じく周産期に発生する繁殖障害や乳房炎は,乾乳期に発生する脂肪肝に起因すると考えられている.脂肪肝ではリポタンパク質代謝が障害される.肝臓でのリポタンパク質代謝異常は,肝外組織の代謝系,例えば,黄体でのステロイドホルモン産生に影響する.脂肪肝および脂肪肝関連疾病でのリポタンパク質代謝の詳細を明らかにすることは,病態の解明,また,診断法の開発に重要である.本総説では脂肪肝,ケトージス,第四胃変位,乳熱,ダウナー症候群,胎盤停滞,乳房炎でのアポリポタンパク質B-100,A-1,C-III濃度,レシチン:コレステロールアシルトラン:スフェラーゼ活性,およびハプトグロビンと血清アミロイドAの誘導について報告する.得られた結果はこれらのアポリポタンパク質が脂肪肝および脂肪肝関連疾病の病態に密接に関連していることを示唆している.また,これらの濃度・活性を周産期にモニターすることにより早期診断が可能であることが明らかとなった.
- 2002-04-25
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