ラット脾臓のII型エストラジオールレセプター濃度の妊娠中の増加
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概要
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エストラジオールレセプターはI型とII型に分類される. II型レセプターは妊娠中の免疫抑制等, 免疫応答の抑制に重要と考えられている. 本研究はラット脾臓におけるII型レセプターの存在, 及びレセプター濃度がエストラジオール投与により, また, 妊娠中にどう分布変化するかを調べるために企画された. スカッチャード解析により, II型レセプターがラット脾臓に存在することが示され, 解離定数はサイトゾルで3.23×10^<-9>M, 核で4.29×10^<-9>Mであった. 本レセプターはエストラジオールとジエチルスチルベストロールに特異性を持つが, プロメゲストン, メチルトリエノロン, デキサメサゾンに対しては持たなかった. ラットにエストラジオールを投与すると, 核レセプター濃度の増加及びそれに伴うサイトゾルレセプターの低下が見られた. 妊娠中には核レセプター濃度が増加したが, サイトゾルレセプター濃度は変化しなかった. 妊娠ラット脾臓より得られたレセプターの解離定数は4.77×10^<-9>M (サイトゾル)及び7.20×10^<-9>(核)で, 非妊娠コントロールと同様の値が得られ, 妊娠中のII型レセプター変化が量的であることが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1991-12-15
著者
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