スフィンゴシンは乳牛乳腺の核内プロティンキナーゼCによる基質タンパク質リン酸化を調整する(生化学)
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概要
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プロティンキナーゼC(PKC)はジアシルグリセロール,ホスファチジルセリン,カルシウムによって活性化される酵素で,基質タンパク質をリン酸化することにより,多彩な細胞(特に核)機能を調節する.乳牛乳腺の核内PKCおよびタンパク質リン酸化に対するスフィンゴシンの効果を調べた.ヒストンを基質として使用したところ,スフィンゴシンはPKC活性を阻害した.主要な核の内在性PKC基質として,56-kDa,43-kDa,38-kDa,36-kDaタンパク質が検出された.これらの中で,38-kDaと36-kDaはアネキシンIと同定された.56-kDaおよび36-kDaアネキシンIリン酸化は,ヒストン同様,スフィンゴシンによって阻害されたが,43-kDaリン酸化は逆に増強された.38-kDaアネキシンIリン酸化はスフィンゴシンによって影響されなかった.スフィンゴシンによるヒストン,56-kDa,36-kDaアネキシンIリン酸化の阻害および43-kDaタンパク質リン酸化の増強は,過剰なホスファチジルセリン添加によって回復されたが,ジアシルグリセロール,カルシウムによっては回復されなかった.スフィンゴシンは核内PKC基質を異なる様式で調整することが示唆された.
- 2004-10-25
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