エンザイムイムノアッセイ及び2次元電気泳動による牛高密度リポタンパク質画分のハプトグロビンの解析

概要

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ハプトグロビン(Hp)は炎症反応だけではなく, 脂質代謝にも関わることが最近明らかにされつつある.牛ではHpは非リポタンパク質画分の他, 高密度リポタンパク質(HDL)と超高密度リポタンパク質にも分布する.本研究の目的は, エンザイムイムノアッセイ(ELISA)により牛HDL中のHp濃度を測定すること, 及び, 2次元電気泳動により非リポタンパク質とHDL画分のHpに構造的な違いがあるか明らかにすることにある.Hpがヘモグロビンと親和性を持つ性質を利用したELISA法でHDL Hp濃度の測定を試みた.このELISA法は感度(検出限界:7.4ng/ml)がよく, リポタンパク質のHp濃度の測定に適用できた.乳房炎と肺炎牛について測定したところ, 全血清Hpの0.2-0.3%がリポタンパク質画分, 特にHDLに分布していた.2次元電気泳動では血清, HDLのHpとも, α鎖(23kDa), β鎖(35kDa)がそれぞれ5つのスポットに分離された.血清とHDL Hpの対応するスポット間で等電点にほとんど差はなかった.ヘモグロビンとの親和性を利用したELISAにより, 牛リポタンパク質画分のHp濃度が測定できるようになった.また, HDL Hpは, 非リポタンパク質画分のHpに比べ, 少なくとも分子量, 荷電には大きな違いがないことが示唆された.
2001-01-25