乳牛のケト-ジスと乳熱は出産前後に発症したが, これらの牛の血清レシチン : コレステロールアシルトランスフェラーゼ活性は発症前の乾乳期に既に低下していた
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概要
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ケト-ジス等の産後疾病は乾乳期に発生する脂肪肝に継発することが知られている.重度脂肪肝およびそれに継発する産後疾病では血清中のレシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)活性が低下する.乾乳期にLCAT活性を測定することにより, 産後疾病の発症前診断が可能かどうか調べた.24頭の乳牛について, 出産前48日から出産後14日まで, 約10日間隔で血清を採取し, LCAT活性を測定した.24頭中14頭は観察期間中明確な臨床症状を示さなかったが, 7頭はケト-ジス, 3頭は乳熱を出産前後に発症した.14頭の臨床症状を認めなかった牛の中で, 7頭ではLCAT活性は低下しなかったが, 他の7頭では出産前20日以降にLCAT活性は低下した.ケト-ジス, 乳熱牛でも, 出産前20日以降にLCAT活性の低下が観察された.以上の結果より, 周産期の乳牛は1)周産期にLCAT活性が低下せず, また, 産後疾病を発症しない, 2)乾乳期にLCAT活性は低下するが産後疾病は発症しない, そして3)LCAT活性が低下し出産前後にケト-ジス, 乳熱を発症する, の3群に分けられることが明らかとなった.乾乳期にLCAT活性を測定することにより, 産後疾病に罹患しやすい牛を予察できる可能性が強く示唆された.
- 2000-12-25
著者
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中川(植田) 寿美
石川県北部家保
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加藤 憲夫
農林水産省家畜衛生試験場北海道支場
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加藤 憲夫
(独)動物衛生研究所
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加藤 憲夫
農林水産省家畜衝生試験場北海道支場
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Nakagawa-ueta Hisami
The Ishikawa Hokubu Livestock Hygiene Service Center
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